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SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ①音楽

 先日、人生初サマーソニックに参戦してきた。今回はその備忘録も含めて、①「音楽」、②「服装・持ち物」、③「タイムスケジュール・雰囲気」の3回にわたって記事を書いていこうと思う。今回は①「音楽」についてである。


Lauren Spencer Smith(ローレン・スペンサー・スミス)

 レディー・ガガやアデルを思わせる孤高のシンガーという印象で、圧倒的に美しいその歌声に聴衆はただただ釘付けになるしかなかったような雰囲気であった。途中でレディー・ガガのカバーを挟みつつ、代表曲『Fingers Crossed』では陶酔感が会場に生まれた。サマソニの幕開けとして心地よい時間であった。

a子

 Spotify RADAR: Early Noise で耳にして、今年の初めから気になっていたミュージシャン。今年7月に出した1stアルバム『GENE』は、個人的に評価の高い作品だ。かすれるようなか細い歌声に確かな強さと闘志を兼ね備えており、ステージ上の佇まいも堂々たるもの。演奏メンバーに逐一指示を出している姿は、これぞフロントマンという感じ。MCで口を開けば関西弁というのも驚きだ。

m-flo

 直前でキャンセルになったジョン・バティステの代打として急遽出演。その割に人の集まりは凄まじく、見たこともない縦ノリのグルーブが出来上がっていた。音楽好きなら一度は通る m-flo だが、私は殆ど聴いたことがなかった。それでも周りにつられて楽しめてしまう不思議さがあった。今回は様々なミュージシャンとコラボレーションする "m-flo(♥)" スタイルであったが、特に Maya とのコラボが印象的だった。芯がブレない安定した歌声。楽曲披露後に明かされる16歳という若さ。もう少し掘り下げてみたいミュージシャンである。

imase

 最後の方しか聴くことはできなかったが、ちょうどPUNPEE氏とコラボしていたタイミングで参戦した(PUNPEE氏は当日のトリである)。夜にピッタリの曲ということで代表曲『NIGHT DANCER』を演奏していた時は、観客と演者の間に圧倒的な一体感があり、不思議な感覚がした。彼の楽曲をあまり聴いたことがなかったので、これを機にもう少し聴いてみたい。

Stephen Sanchez(ステファン・サンチェス)

 私の目当てのうちの1つ。ラインナップ発表時に初めて知ったミュージシャンであったが、彼の楽曲を聴くうちに一気に惹き込まれていった。彼を表現するならば、『AM』以降のアレックス・ターナー(アークティック・モンキーズのボーカリスト)とマイケル・アンジェラコス(パッション・ピット)の高次元ハイブリッドである。ステージ上のパフォーマンスにはエルヴィス・プレスリーを思わせる妖艶さがある。彼の出世曲である『Until I Found You』は、イントロのギターで歓声が湧き上がるほどだったが、個人的には一発目の『Evangeline』が好きで、弱冠21歳には思えない円熟味がある。事あるごとに「私はステファン・サンチェスです!」と日本語で叫んでいたのが可愛らしい。

One Republic(ワン・リパブリック)

 『怪獣8号』のエンディングテーマである最新曲『Nobody』を筆頭に、サビのメロディを口ずさみたくなる代表曲『Counting Stars』や大サビの盛り上がりが美しい『I Lived』など、往年のキャリアを特徴づけるラインナップであった。ボーカルのライアン・テダーは作詞家やプロデューサーとしての活動も顕著であり、彼が手掛けたビヨンセの『Halo』やマルーン5の『Maps』を彼自身が演奏・歌唱していた。「水を飲め!」と言わんばかりに客席へ何度も水を投げ込むライアン・テダー氏が面白かった。

Nothing But Thieves(ナッシング・バット・シーヴス)

 私の目当てのうちの1つ。『Oh No :: He Said What?』でグッと心を掴まれ、『Welcome to the DCC』のイントロのギターにやられてしまった。ボーカルのコナー・メイソンが横揺れでノッている姿に私までつられてしまうのだ。中盤の『Amsterdam』のイントロギターで思わず「キタ!」と叫んでしまった。この曲が一番好き。最後に『Overcome』で締めたのだが、この曲で良かったと思う。一緒に聴いた友人も最後の曲に思い入れを示していた。彼らはとても素晴らしいミュージシャンだと思うが、私がそれを巧みに表現する語彙を持ち合わせていないのが非常に悔しい。

星野源

 移動もあり、最後の2曲(『Week End』『Hello Song』)しか聴くことはできなかったが、それだけでも十分楽しかった。ライブの定番である『地獄でなぜ悪い』『SUN』『恋』は一度聞いてみたいと思っていたので、参加できなかったのが悔やまれる。サポートギターが長岡亮介氏(東京事変;ペトロールズ)で、二人揃って MIDNIGHT SONIC で DJ を務めるという仲睦まじさ。とにかく聴衆の体調を気遣ってくれ、「しっかり水分補給してください!」と丁寧に伝えている誠実さが眩しかった。

MÅNESKIN(マネスキン)

 今年のヘッドライナーにして、私の最大の目当てでもある。『HONEY (ARE U COMING?)』は、観客に "Oh-oh-oh… Honey, are you coming?" を歌わせてくれるアツい展開。『Beggin'』は、歌い出しの "Put your loving hand out, baby" の "P" の音だけで歓声が沸き上がるほど。目玉は『I WANNA BE YOUR SLAVE』で、会場一体となって揺れているのがわかった。腕を振り、声を上げ、飛び跳ねた最高の1時間半。60〜70年代のロックシーンを思わせる音楽が、こうしてメインストリームに帰ってきているのも面白いところ。マネスキンが初来日した2022年頃は、妙に癖があってあまり好きになれないと思っていたのだが、2023年に発表されたアルバム『RUSH!』で完全に黙らされてしまった。今後のさらなる活躍が楽しみだ。


終わりに

 「もう1回行きたいか?」と問われれば、「目当てのミュージシャンは居てほしいが、居るならば喜んで行きたい」と答える。やはりこの夏フェス独特の雰囲気が好きだ。溢れんばかりのマネスキン愛を語ってしまったが、実は東京2日目のヘッドライナーであるブリング・ミー・ザ・ホライズンが最本命であった。以下の記事でも書いたのだが、今年上半期のアルバム『POST HUMAN: NeX GEn』が特にお気に入りで、単独公演や NEX FEST などで会えることを切に願っている。

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