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政治記者は季節労働者である・永田町の動向に大きく左右される仕事

解散が見送られ急に静かになる永田町

 政治記者は季節労働者だ。
 季節といっても春夏秋冬ではなく、政治日程に大きく仕事を左右される。
 国会会期中で重要法案を巡る議論が佳境に入ったり、政治構造を大きく変えるような政局が起きたりしているときは、朝から夜まで情報収集に走り、寝る間を惜しんで記事を書くこととなるが、国会が閉じて政局も落ち着いているときは一気に取材が減って暇になる。

 この6月はそれが特に顕著だ。
 岸田総理が6月16日に衆議院を解散するのではないかと言われる中、終盤国会は解散風が吹き荒れ、私も原稿を多媒体に何本も書いたが、解散されずに国会が日程通りに閉会すると、永田町は急に閑散とする。
 そもそも、国会閉会中は国会議員はみんな地元に帰り、次の選挙に向けた政治活動に邁進するため、国会から人がいなくなる。「次は秋に解散するのではないか」と言われている今は、特にそれが顕著だろう。
 政治記者は取材する対象が少なくなるため、人によっては早めの夏休みを取り、次の「政治の季節」に備えているようだ。
 まぁ、新聞社を離れ、独立してフリージャーナリストとなった私には、夏休みという概念自体がないわけだが。

閑散期だからこそ問われる記者の力

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