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刺繍のこと

私の刺繍遍歴について。
どうしてこんなに飽きないのか、いまだに答えはわからないけど、書いてみることにする。


刺繍との出会い


最初は、母が作ってくれたストールだった。
明るいグレーのリネンのストール。

当時大学生だった私は、
「なんかもっと華やかにならないかなー…刺繍とか?」
と思って本屋に行って、刺繍本を探した。

「これかわいい!」と思って手に取ったのがこの本。

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これを持って帰って、刺繍糸を買い、縫ってみた。
楽しかった。

3年ほど、独学でマイペースにやった後、
刺繍教室に通ってみることにした。
多分、一人ではこれ以上うまくならないことが分かったのかもしれない。

刺繍教室は、花園町のカフェでやってた。
ランチ付きで、朝11時くらいから2~3時間くらいやっていたように思う。

先生が面白い方で、毎月楽しく、いろんな人とおしゃべりしながら、自分の進めたい作品を進めていた。

日傘とかポーチとか作って、和裁の玉どめ、玉結びの仕方を教えてもらったり。
刺繍は好きなのに、仕立てはすごーく苦手で、
「刺繍は好きだけど、ハンドメイドで販売とかはできないだろうなぁ、やってみたかったな」
と思ってた。

平日休みから土日休みの会社へ転職することになって、
刺繍教室はそれっきりになった。

HPを見る限り、先生は今も大変精力的に活動されているみたい。
お子様方も大きくなられたのだろうなぁ。


てまりと出会う


その後、また独学に戻り、
本を買って学んだりしていた時に、
またもや素敵な本に出会った。

小さなてまりとかわいい雑貨 | 寺島 綾子 |本 | 通販 | Amazon

すぐさま「これやん!」と思った。
これなら仕立てがいらない。
刺繍ができる。
1~2日で完成できる。

もともと、ハンガリー刺繍だろうが
先生の考えた図案だろうが
私は作るのが遅かった。
(いまだに遅い)

でも遅くたって2日あれば、つまり土日に頑張って取り組めば、何とか完成できるてまりは、私にとってありがたかった。

その後、私はてまり作りにはまっていき、いろんな模様を作ってみるようになった。


さて、今は


正社員として週5日働き、土日はできるだけてまりを作る生活を5年ほどしていた。

今は週3で働いて、他の日はてまりを作っている。
2月に1回、教室に通っている。
ここでも、てまり好きさんたちがいろいろおしゃべりしながら、てまりを作っている。
とても楽しい。

正社員を辞めて、有給消化していた時には毎日作っていたけれど、全然飽きなかった。
もっと作りたい柄やアクセサリーが出てきた。


お金にはほとんどならない。
でも、作っている時間が最高だと思う。

しかも、最近はまたハンガリー刺繍を始めた。
てまりをずっと作っていたからか、刺繍の腕は落ちていないようで、特に詰まるところも躊躇うところもなく、楽しく作れている。
いつか壁掛けやパネルとして世に出してみてもいいのかもしれないな。
でも、頑張ってブックカバーは作れるようになりたい。
色とりどりの華やかなブックカバーで読む本はきっとおしゃれになる。
できれば新書サイズも作りたいな。



私がここまで刺繍にはまったのは、
「終わりがないから」じゃないかな、と思っている。

自分のペースでいつまでも続けられる。
一つの作品が終わったとして、また自分で図案を書いたり、色合わせを考えたりして進めていける。

仕事だとそうはいかない。
(私は経理をしているから、経理だけかもしれないけれど)
どんな仕事にだって終わりは来る。
経理は、既存の仕事をいかに効率化するかが大事だから、自分のやっていることを効率化していった先に何があるのか、ふと考える時がある。

そして、私の中の結論は、
「私もしくは誰かがその会社にいらなくなる」
だ。
仕事をしていると、その考えがいつも根本にある。
自分か誰かが不要になるために仕事してるなんて虚しいなあ。

刺繍しているときは、そんなこと考えない。
いつまでも生み出せる。
だからいつまでも、上達することを目指して頑張れる。
そして、上手な人が作った刺繍を見て、心の底から賞賛できる。
いつか自分もそんな刺繍ができるようになりたい、と思える。

だから今日も私は針と糸を持つんだろう。
楽しみながら、素敵な作品を生み出せるように。



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