上陸できるかその日次第。伊豆七島のひとつ、不思議なまん丸の「利島」
伊豆七島のひとつ「利島」は、人口300人の小さなまん丸の島。きっかけがありたまたま行くことになったけれど、本当に何もない、でもそれが魅力的な島だった。
※観光シーズンではなく、2024年4月前半に訪れた時の記録です
利島へのアクセス
東海汽船の大型フェリーあぜりあor高速ジェット船を利用。港の形状が特異で、海の状況によっては、他の島にはたどり着けても利島だけたどり着けない…なんてこともザラにあるらしい。
朝から、就航するかドキドキしながらHPで随時チェックしていた。
行きはあぜりあに乗っていったが、「就航はするけれど着岸できるかわからない」という賭けの状態で下田を出発し、なんとか上陸できた。最悪の場合、伊豆七島クルーズで終わりになる覚悟も必要(&場合によってはかなり揺れるので船酔いの覚悟も必要。船内には桶が用意してあるほど)。
実際に、到着翌日は風向きの関係で、利島だけ船が着岸できず、帰れなかった。船が出ないのだから、仕方がない。もう一泊して、次の日に賭けるしかない。
あぜりあよりも高速船の方が着岸率は高いようで、下田からのあぜりあがダメでも東京からは来れる場合もあるらしい。(船酔いも、高速船の方が揺れないので、あぜりあでダメだった人も余裕そうだった)
…というわけで、利島に行くのであれば、数日の余裕をもって行かねばならない。気軽に訪れることのできない島だ。
利島について
港がある場所以外、周りはすべて崖に覆われており、閉塞感がすごかった。
椿の生産が盛んで、あらゆるところに椿の木が生えていた。それに伴い、特産品は椿油の化粧水。食べ物系は、明日葉と椿油のジェノベーゼ風ソースくらい。
仕事としては、椿油の工場か、農協、小中一体の学校、民宿運営くらいしかないのでは?という感じ。
娯楽施設はなく、島の人たちは普段なにをして過ごしているのか…。意外と子供との遭遇率が高かったのは印象的。
買い物について
主なスーパーは農協運営の小さなコンビニのようなところ。12~13:30はお昼休みで、土日も営業していない。他にも地域の商店のような場所はあったけれど、とにかく物価が高い。
前述の通り船が着岸しないとなれば、食糧も入ってこないわけで、安定供給も難しそう。白菜ひと玉660円、長ネギ一本340円の世界で、お肉などは冷凍して売られているものが多かった。
そこまで自家栽培している様子もなく、島の人はどうやって暮らしているのだろうか、疑問だ。
神社
小さな島なのに、神社は7つある。その中でも1番神、2番神、3番神という信仰があり、お正月にはその順にお参りして回るのが慣例なのだとか。石段は丸い石が積み重ねられていて、可愛らしい。
ちなみに1~3番神は、昔の人が島の中でも風が吹く場所に神社を建てて、お祈りしていたと地元の人が教えてくれた。利島ならではの文化を感じられた。
食事
どこも完全予約制のところが多く、そもそも食べられるところが少ないので、下手すればくいっぱぐれになる。利島の地のものといえば、山菜かアカイカくらいしかなかったが、夏は伊勢海老もとれるらしい。
食堂HARU
唯一予約なしでもよくて、昼も夜も営業しているところ。利島で、なぜか韓国料理。
一応、明日葉やアカイカを使ったチヂミ、パスタもあった。
利島でお弁当を頼むとなれば、ここのお弁当になるらしい。民宿で朝ごはんをお願いしたら、ここの鮭弁当が出てきた。笑
食堂てづか
できるだけ地のものを、と考えてくださっているご飯屋さん。完全予約制で12-13時の1時間のみ営業している。
タラのフライ、タラの芽の天ぷら、豚肉としどけの炒め物、アカイカのお刺身、ふきの煮物。一番島っぽさを感じられる定食で、店員さんもフレンドリーで島のことをいろいろ教えてくれた。
ねことまちあわせ
食事というよりはドリンクオンリーのカフェだけど、唯一まったりできる場所。農協が運営しているらしく、営業日時も限定的。(日によっては簡単なフードメニューもあるっぽいので、インスタで要確認)
テイクアウトカップで提供され、ごくごく普通のコーヒーとか紅茶を出してくれる。こういう場所があるだけありがたい。
交通手段
レンタカー屋はなく、歩いて一周できるくらいの規模。車を借りたい場合は、泊まる宿に相談することになっている。私が借りたところは、半日4000円。
大きい道路は利島一周道路しかないけれど、それでも対向車とすれ違うことはほとんどなかった。一周するだけなら2,30分あればよさそう。
利島へ行くきっかけとなった、日本の開きの締めくくりとなる神津島への旅。詳細はこちらへ。