見出し画像

まさかの”幸せ”にむせび泣く

夫が投資詐欺被害に遭い、1300万円もの大金を奪われました。

およそ1000万円の負債を抱え、夫婦ふたりでの再スタート。

こんな状況だけど、こんな状況だからこそ前を向いて歩くしかない!

お金を奪われても、幸せまで奪われてたまるか!

これを乗り切って、もっとパワーアップした自分になってやる!


そう心に誓い、夫婦二人で明るく楽しく試練を乗り越えると決めたライターの日常を綴っていきます。

==================================

【前回のお話】

過去の黒歴史に思いがけず助けられ、被害額と夫の資産状況を速やかに把握できた我々夫婦。

しかし、あまりにも莫大な被害金額と、「詐欺」という初めての経験を目の前に

衝撃が多すぎて、なかなか寝付くことができなかった。


夫の疲労具合がかなりひどく、精神的な危うさも感じられたため

睡眠導入剤を飲んでから布団に入ってもらった。


ほどなくして、隣から寝息が聞こえてきたが


自分は寝付けそうもない。


「これからの生活、どうなるんだろう…」

「明日から、いろんなところに相談しなきゃいけないな…」

「とられたお金って、返ってくるのかな…」


不安な問いが頭の中をめぐり、どんどん胸がざわついてくる。


そんなときに、私がいつも自分に問いかける質問がある。


「あなたは今、どんな気持ち?本音ではどう思ってる?」


この時も、そう問いかけてみた。

すると

「夫がすぐ相談してくれてよかった。一人で苦しまないでいてくれてよかった」

そんな答えが浮かんできたのと同時に、涙があふれてきた。


今後に対する不安を抱える一方

こんな事件が起こっても、夫が隣にいてくれること

生きていてくれることに、心底安堵していたのだった。


生きてそばにいてくれるだけで、いい。

そう想える相手と夫婦になれたありがたみで胸がいっぱいになり、しばらく涙が止まらなかった。


安堵の涙を流した途端、急に眠気が出てきて

短いながらも、夢も見ずしっかり眠ることができた。



翌朝、夫には公的機関等への相談の連絡をしてもらい

私は、信頼している経営者さん達に相談してみることにした。


この状況を解決してほしいと思ったわけではなく

今の自分では受け止めきれない事実を受け止めるために、

何か助言をもらえたら…


そんな気持ちだった。


すると


連絡した方たちみな、私の話を冷静に受け止めてくれた。

やるべきことを一緒に整理してくださった方もいれば、

仮想通貨に詳しい方を紹介してくれた方もいた(夫が引っ掛かった詐欺は、仮想通貨をつかった詐欺だった)

ここから立ち直る方法を一緒に考えてくれた方もいた。

また、急なリスケに対応してくださったクライアントさんもいた。


そして、あなたなら必ずこれをバネにできるよ、と

温かい励ましの言葉をかけてくれた。


連絡をとらせてもらった方の誰もが、忙しい中で真剣に向き合ってくれて

返信を見るたびに涙が止まらなくなった。


私は、こんなにも愛溢れる人たちの中で過ごしていたのか

どうしてそのことに気づけていなかったのか

私は、とても幸せ者じゃないか…


窮地に陥ったことで、逆に自分が持っているものが可視化され

自分がとても恵まれていることに気づけたのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そんなこんなで、周りの方からの愛にエネルギーをいただき

前に進む覚悟を新たにしたものの


現実はそう甘くはない。

この後、被害の事後処理に駆け回る中で

様々な理不尽さに、翻弄されていくことになるのである…


~つづく~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?