【今日コレ受けvol.050】合作よふたたび
朝7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。
「あかずきんちゃんは、オオカミをたべちゃったんだよ」
「シンデレラはおうじさまとむすばれたあと、くつしょくにんになりました」
子供は誤読の天才だ。
読みたいように読む、というか、行間から違う物語をつくってしまう。
息子が3、4歳の頃、同じ絵本を読んでいるはずなのに、途中で、あるいは「めでたしめでたし」の後に、全く違う物語がはじまって驚くことがよくあった。
同じ絵本でも、きっと世界には子供の数だけ誤読されたストーリーがあるのだろう。作者は幸せに違いない。
亡くなった後もずっと、合作し続けていられるのだから。
列にならんだときや、ウロウロせずに待たなければならないとき、よく、架空の物語を語って聞かせていたのを思い出した。
登場人物の一人を、家族や友達など、誰か知っている人にするのがポイントだ。その人物を軸に物語をつくると、彼・彼女がとる普段とは違う行動に惹きつけられ、興味津々で聞いてくれる。
そして、気づいたらいつも、物語の続きを息子自身が語り出していた。
あれは息子と合作していたんだなあ…。
小学生になった今は、料理や宿題を合作することはあるけれど、一緒に絵本を読んだり、架空の物語を編むことはない。
図書館で児童小説を借りて読んでいる息子の頭の中では、どんなオリジナルストーリーが広がっているのだろうか。
「赤ずきんちゃんは、オオカミを優しく育てるブリーダーになりました」
あらすじを教えてもらいながら、今度は私が、違う続きを語り出してみようか。
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