【今日コレ受けvol.100】涙活との再会
7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。
さっき、息子が突然泣き出した。
理由を聞くと、『スプラトゥーン』というゲームで負けたのだという。あと1回負けるとレベルが下がり、多くのポイントを失う。それが悔しいのだ、と。
彼の泣き顔を見たのは何ヶ月ぶりだろう。
小学2年生頃までは、しょっちゅう泣いていた。こけて泣く、叱られて泣くのはもちろん、テレビで悲しいシーン、怖いシーンを見て泣き出したり、学校での出来事を思い出して泣いたりもしていた。
けれど最近は、数ヶ月に1度くらいしか泣かない。今彼は小学4年生。来月には5年生になる。逞しく成長した証なのかもしれない。
そう言えば以前、製薬メーカーの会報誌の仕事で、「涙の効用」について取材したことがあった。「涙活(るいかつ)」という言葉が流行りはじめた頃。10年くらい前だろうか?
と思って涙活を検索したら、自分の記事が出てきて驚いた。ネット記事になってたの、知らなんだ。
涙にリラックス効果あり!?笑顔になれる上手な涙の流し方 | ロート製薬 太陽笑顔fufufu (rohto.co.jp)
詳細は割愛するが、涙の効果について、東邦大学医学部統合生理学教授 有田秀穂先生にこんな話を聞いていた。
ここでいう“情動の涙”とは、玉ねぎが目に染みるなどの身体反応ではなく、悲しみ、悔しさなどの感情から込み上げる涙をさす。“情動の涙”は、眠る以外に唯一、脳を交感神経優位から副交感神経に優位に切り替える。つまり緊張状態から、リラックスした状態へと切り替えるスイッチなのだそうだ。
だから涙活はいいものだ、と。
自分で書いたのに、完全に忘れていた……。
ならば、息子があまり泣かなくなった=ストレス解消の機会が減っているということだろうか。
成長だと思ったけれど、喜んでばかりもいられないのかもしれない。
涙活、誘ってみようか。
おあつらえ向きに記事には、涙活にオススメの映画が紹介されている。どれどれ。
『フラガール』『カンフー・パンダ』『ロッキー』……。
ほんまに泣けるんかいな!
思わず、過去の自分にツッコんだ。
でも勧めているということは、たぶんかつての自分が泣いた作品なのだろう。
いやまてよ。
どれも逆境からの成長ものだ。ゲームで負けて涙する彼なら、共感して泣けるかもしれない。
やっぱり近々、鑑賞会をしてみよう。
それにしてもライターを続けていると、こんなふうに、過去に書いた記事に再会することもあるのだな、と不思議な気持ちになった。
『今日コレ受け』も今日で100回。
毎日書かれているさとゆみさんやライター仲間には恥ずかしいスローペースだ。でも、いつかこのnoteにも、思ってもみないタイミングで再会するのかもしれない。
その日を楽しみに、また100回も続けていきたい。
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