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「別冊文藝春秋」2020年5月号が「おうち時間」にぴったりな理由

こんにちは、文春note部の中の人のひとり・Kです。
リモートワークが続き、そろそろ腰が痛くなってきました…….。
今日は「おうち時間」のお供になりそうな今月発売の『別冊文藝春秋』を紹介させてください。

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4月20日(月)に発売される電子文芸誌『別冊文藝春秋2020年5月号』。今回の表紙もポップです。イラストは松原光さん(https://www.instagram.com/sandomistudio/)。

春らしいデザインですが、表紙の右上、よく見るとなんだか不穏なタイトルが……。『ぼぎわんが、来る』の澤村伊智さんのホラーサスペンス『邪教の子』が今月から連載スタートします。
さらに貴志祐介さんのロングインタビュー(初めてのご自宅でのインタビューだそうです。ご自宅ステキすぎ…)に、森見登美彦さんと深緑野分さんの対談。
そして、先日、日本芸術院賞を受賞された建築家・建築史家の藤森照信さんと、『東京、はじまる』を上梓されたばかりの門井慶喜さんの対談など、今回も充実の内容になっています。
今回の『別文』の魅力を3点にしぼってお話しします。

①あの有名作家のルーツがわかる

今回の『別文』に収録している作家インタビュー&対談はこちら。

・貴志祐介さん
・新庄耕さん
・真下みことさん
・藤森照信さん×門井慶喜さん
・森見登美彦さん×深緑野分さん

特に今回は、貴志さん、森見さん、深緑さんが「作家になる前」についても話を掘り下げています。

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ホラー、ミステリー、SFと幅広いジャンルでヒット作を送り出している貴志さんが小学生のときに書いた初めての小説ジャンルや、若かりし頃、執筆に行き詰ったときに手にとった「意外な作品」で視界が開けた話。

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森見さん、深緑さんの対談では、物心がついた頃から空想好きだったというお二人の子供時代のエピソードや、初めて賞に応募するまでの経緯についても触れています。対談後半では、お二人の思う「この作家の想像力がすごい」談義も。

どんな作家にも子供時代や進路に迷う時期があって、そのときに読んだ小説がその後の作風に影響しているーー。意外とその小説が、自分も学生時代に読んだことがある身近なものだったりして、「人によって小説から何を得るか」は違うのだと、改めて実感しました。
作家の皆さんがちょっと身近に感じられるエピソード満載です。

② さまざまな「表現」に関わる人たちによるエッセイ

今回の巻頭グラビア・エッセイは木村綾子さん。タレント活動を経て12年から7年半「本屋B&B」の運営に携わり、今春から蔦屋書店の「仕掛け人」として新たな挑戦を始める木村さんの決意と展望をつたえるエッセイです。
これは、一冊の本をきっかけに「書く人」「読む人」がもっともっとつながれたらいいな、刺激し合えたらいいな… 常々そんな気持ちを抱いていたという『別文』編集部と木村さんが意気投合して実現した企画だそうです。

エッセイには又吉直樹さん全編書き下ろしアンソロジー『Perch(パーチ)』なんていうものが出てきて気になりますが、これは今年3月末にオープンしたばかりの「羽田空港 蔦屋書店」でこれから発売するスペシャルな冊子だそうです。
2000部限定、店頭販売のみというコンセプトゆえ、コロナ騒動が落ち着いてからの販売になるのだとか。
それがどんな内容で、どんなふうに作られたのかもエッセイでたっぷり紹介されています。

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さらに今月は18歳のシンガーソングライター・崎山蒼志さんのショートエッセイも収録。崎山さんが「食べること」に恐怖を感じていた小学生の頃の出来事を綴っています。

作家だけではなく、さまざまな「表現」に関わる人たちのエッセイが読めるのも、『別文』の魅力のひとつです。
ちなみに2020年3月号の巻頭グラビアは家入レオさん×千早茜さんでした。
先日、WEBでも公開したのがこちら

③ 多岐にわたる連載小説たち+戦慄のホラー新連載

現在、『別文』では計7作品の小説を連載中。さらに今月から戦慄のホラーサスペンス『邪教の子』が始まりました。作家は『ぼぎわんが、来る』の澤村伊智さん。
硬派な歴史小説からTHE令和な小説まで、様々なジャンルが集結しています。

澤村伊智「邪教の子」←NEW!
今村翔吾「海を破る者」
真藤順丈 「ものがたりの賊(やから)」
澤田瞳子 「星落ちて、なお」
吉川トリコ 「夢で逢えたら 第五話 女の敵だョ! 全員集合(前編)」
矢月秀作 「刑事学校 III」
円居挽 「キングレオの帰還 第四話 性根の曲がった男」 
夢枕獏 「ダライ・ラマの密使」

個人的にこっそり気に入っているのは、各連載で扉ページのデザインが違うところ。
号によって色も違うんですよ!今月号は黄緑色でした。

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おまけ・Kindle Unlimitedでバックナンバー1年分を追加しました

最後にもう1点。『別冊文藝春秋』のバックナンバー1年分を「Kindle Unlimited」の読み放題サービスに追加しました。なんと最新号も発売日当日に入ります……!

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1年以内に始まった作品がほとんどですし(今村翔吾「海を破る者」、真藤順丈 「ものがたりの賊(やから)」など)、1話完結ものもあります(円居挽「キングレオの帰還」)。

おうち時間に、あたたかいお茶とお菓子と一緒に読んでいただけたら嬉しいです。
個人的には、吉川トリコさんの「夢で逢えたら」が最近のお気に入りです。主人公は女芸人・真亜子と女子アナ・佑里香。すべてが対照的な2人の会話にちりばめられた「女子あるある」ネタに思わず強く頷くことも。特に今回は主人公の女芸人・真亜子の思い切りに注目。読んでいて元気になれるので、今の時期におすすめです。

それにしても、早く安心して外に出たいですね。
中の人はコロナが収束したら新宿の映画館に行って帰りに中央線沿いの好きなカレー屋さんで食事をしたり、池袋のジュンク堂で9FからB1Fまでを無限にウロウロしたり、少し足を伸ばして羽田空港 蔦屋書店に行ったりしたいです。

別冊文藝春秋2020年5月号
株式会社文藝春秋
4月20日(月)主要電子書店にて発売
詳細はこちらから(Kindleページへ遷移します)

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