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徒弟制度に異論はないが、やりがい搾取であってはイケナイ

先日、佐賀県唐津市で唐津焼の作家の先生に弟子入りしているという若い子が突撃で初めましてって遊びに来てくれた。
開口一番
「2年後の独立へ向けて伊万里で工房を建てるのに良い土地を探しているのですがどこかご存じないですか?」と。

弟子入りから修行を終えて工房作ってハイ独立!ってその人の今後を考えると凄く危険だし仕事の幅を狭める事になりかねないから慎重になって欲しく
そこでだいぶ先輩ヅラして私の考えを伝えてみたが、その前に

唐津に弟子入りする基本情報はこうだ
①朝8時〜17時までフルタイムで窯の作業や師匠の手伝い
②ごはんは賄いがある
③住むところは用意してある
④自分の練習は就業前もしくは後
⑤給料は月0〜5万の間
⑥休みは月4回程度
⑦修行期間はだいたい3年か。
まぁこんなところだ
なかなかに厳しい世界。
ちょっと想像してみる
①朝から夕方までフルタイムで働くってだいぶシンドイよねでもまぁ将来のために学ぶという理由で我慢出来るかな。
②師匠もご飯食べるんだから当然一緒に食べるっしょ無理強いはせんけど。
③住むって一番お金かかるからそこは保証してもらわなきゃね。
④これもまぁ当然かな
⑤給料なんてあるわけないよね労働力と引き換えに教えを受けるんだからさ
⑥休みは要らんわけじゃないけどまず仕事してたいはずだから。でも広く廻って人との繋がりを大事にしてほしいな。後で必ず生きてくるから。
⑦駆け足で3年間どう過ごすかよね。
ざっと弟子入り基本情報をおさらいしてみたけど、こうやって3年間過ごしてから独立してちゃんと生きて行けるってイメージ湧きますか?
私はちょっとわからないんですよね。

まずこの中の一番の問題点は弟子が独立してそれから焼物を売って生きていくことに何一つ繋がらないって事じゃないかな。

そこ習ってないよね

物は作れるようにはなるだろうけど
肝心なのはそれをどうやってお金に換えるかを学ぶ事だと思うんです。
モノづくりはやっていれば当然上手くなるし
でも器を買ってもらうのは作るのとやっぱり違います。

作ったものを買ってもらうっていう一番難しいところをちゃんと教えれている先生がどのくらいいらっしゃるのか。
それを教えないで労働力だけしっかり搾り取り、教えるのは商売のほんの触りの部分って
自分を信じて弟子入りしてくれた人に対してちょっと愛が足りないんじゃないの?って思っちゃう。

師匠さんたちお弟子さんたちのこと本気で考えてますか?
我慢して仕事覚えてハイ独立!ハイ器作りました売れました!って現実無いから。
ぱっと独立したどこの誰ともわからん人が作った器を急に誰が買ってくれるとか
そんな事あると思わない。まぁ私みたいなのには無い一握りのスターにはあるのかも。

独立してまずギャラリーとのお付き合いになるのならすぐに個展とかではないですよね。常設でもない。

一番はじめは企画展に2,3点ちょこっと参加からスタートです。
弟子を取る師匠がもっと有名になって、あの人に弟子入りして学んだ人なら良いもの作るかもって思ってもらえるように努力しなきゃね。
そこは還元できるしやらなきゃな。

師匠と弟子シリーズは唐津の徒弟制度とは?からスタート

次回は「売っていくためにやるべき事」を考えていきます。

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