見出し画像

『井の頭公園100年写真集』ハンディー版の楽屋裏 ②

 最初の発行から5年たち、その間「貴重な写真でたどる井の頭公園100年の歩み」などのタイトルで20回以上の講演をさせていただきました。

 そうすると、「うちにはこんなものがある」とか「これは私の祖父だ」という情報を頂ける機会が増えてきました。

 例えば、三鷹市牟礼の岩崎さんからは、父親が残してくれた井の頭公園開園前日の祝賀会の役割表などを見せていただきました。
 確かに大正6年(1917年)4月29日の新聞に、「明日開園式を行う井の頭公園」の見出しがありますが、どのようなものなのかは分かりませんでした。

 役割表は謄写版(ガリ版)で印刷されたもので、「事務所担当」「来賓休憩所接待係」「楽隊」など11の役割とその担当者名が掲載されていました。
 岩崎さんの父、岩崎久右衛門さんも役割を与えられ名前が載っています。当時28歳だった久右衛門さんにとって、この役割表などを大事に保管した理由があるのでしょう。

 それは、御料地だった場所に皆で労力を提供し、井の頭恩賜公園を完成させ、その開園式典の裏方も務めることができた誇りかもしれません。確かに来賓休憩所接待係には、当時の名士が名を連ねています。

 このように、開園のための土木作業や開園式に地元の青年や有力者が深くかかわったことを表す貴重な資料が新たにハンディー版に掲載されます。

楽屋裏2(無断転載禁止)

開園式の宴会費用内訳(無断転載を禁じています)

このコラムは、(株)文伸が運営する自費出版専門工房「ことこと舎」Facebookページからの転載です。

自費出版専門工房ことこと舎

三鷹・武蔵野エリアの印刷/出版会社が運営する安心の自費出版サービス
自分史、句集、作品集、絵本など!! 聞き書きにも対応いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?