小噺「饅頭屋もバッタバタ」

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饅頭屋《丸福》息子
「親父、みんなが家にいるようになってもっと売れる思ったけどなぁ」

親父:京平
「とにかく、結婚式や人の集まることが、ドーンと減ったから、紅白饅頭も、何もかも売れへん。この頃は家のおやつも洋菓子になったから、辛いのう」

息子
「ここは、一発新商品で起死回生を図ろう」

親父
「あほ、新商品にかける金がないわ」

息子
「借金してでも、アマビエの形したアマビエ饅頭を作ろう」

親父
「底冷え?そんな寒いもの誰が買うかいな」

息子
「病気を追い払う、アマビエという妖怪、甘いこしあんの入った太鼓饅頭の
アマビエ版や」


親父
「やったぁ、よう売れとる、テレビの取材も来て、みんな、病気にならないようにと、贈答用にとよう売れる、なあ息子、この勢いで、アマビエ羊羹にアマビエモナカ、アマビエみたらし団子に、アマビエ栗饅頭も作ろうや」

息子
「あほやな、間も無くワクチンができるから、売れへんようになる」

親父
「ワクチンができませんように」

息子
「怒られるで!」

#桂文枝 #吉本自宅劇場 #小噺 #創作 #いま私にできること

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