[作品紹介]爆走兄弟レッツ&ゴー考察②(無印編~SGJC~)[Jと黒沢の成績比較]
前回は無印編のSGJC出場権獲得までを考察しました(ほぼエピソード紹介になってしまいましたが)。今回は前半でSGJCの各レースの紹介、後半でその結果としての日本代表メンバの選出に関する考察をしたいと思います。
前回:無印編~SGJC前まで~
SGJCの概要
ウィンター・スプリング・サマー・オータムの各公式レース+敗者復活レース的な意味合いの強いビッグチャレンジのそれぞれのレースの3位以内入賞者が出場できる。ということで、5レース×3人=15人が出場者上限ですが主人公の豪が複数回入賞していたり、完走者が3人未満の大会があったりするため、以下の12人が最終的に出場しています。
土屋陣営(8人)
・星馬烈
・星馬豪
・鷹羽リョウ
・三国藤吉
・J
・黒沢太
・鷹羽二郎丸
・こひろまこと
大神陣営(4人)
・土方レイ
・近藤ゲン
・沖田カイ
・R
SGJCは3日間(3レース)で争われ、各レースの順位に応じて1位(6pt)、2位(5pt)、3位(4pt)、4位(3pt)、5位(2pt)、6位(1pt)のポイントが付与され、その合計ポイントで優勝が決まります。
第1レース
1周3kmのサーキットコースを4周する周回コース。大神博士の作戦で、スタート直後に、ゲンのブロッケンGがコースを塞ぎ、その隙に、レイ・カイが先行します。このトラブルに巻き込まれて、当該者のゲン、巻き込まれたまこと、Rの3人がスタート直後でリタイヤ。その後も、大神マシンのバトルに巻き込まれて、藤吉、黒沢、二郎丸もリタイヤとなり、完走者は6台でした。
【第1レース結果】
第2レース
雪道のヒルクライミングコース。先行したのは、雪道に強いフロントモーター構造のスピンコブラとブロッケンG、セッティング技術に長けたブラックセイバー。ゲンは繰り返しアタックをしかけるも、コースの条件が悪く上手くいかず、豪たちがレース中にマシンのセッティング変更をするのを見て、ブロッケンGのバトル用パーツを自ら外します。軽くなったブロッケンGはスピンコブラとブラックセイバーを猛追し、3台並んでゴールします。
【第2レース結果】
第3レース
離島の外周を3周した後、内陸へつながる橋の1.5kmのロングストレートを渡りきる高速コース。序盤はコースアウトを恐れスピードを出せないセッティングにしてしまった豪ですが、烈の発奮で本領発揮。バトルレース展開を仕掛けるレイにも、自分で改造したマシンを走らせる魅力が伝わります。バトルパーツを自ら外したレイとラストストレート勝負になりますが、無理やりパーツを外したことでバランスが崩れレイはリタイヤ。豪・烈・リョウ・藤吉が横一線でゴールします。
【第3レース結果】
SGJCの最終結果とWGPの代表選出の考察
(Jと黒沢の成績比較)
最終結果は、烈と豪が10ptで同点優勝、リョウと藤吉が8ptで同点3位でした。この結果をもとにしたWGP(次回作の世界大会)の日本代表メンバーには、上位4人の、豪・烈・リョウ・藤吉+監督となる土屋博士の元におりマシン開発能力も高いJの5人が選出されています。ちなみに6人目の補欠メンバとして二郎丸が参戦する回もあります。
SGJCの最終結果(赤字は日本代表メンバ)
◎5人目のメンバについて(J vs 黒沢)
上位4人の選出は妥当として、SGJCの成績だけを見ると5人目のメンバー選出は迷うところです(ネットでも黒沢選出の方がよかったのではというコメントを見かけることがあります)。そこでJと黒沢の戦績を比較した上で考察をしたいと思います。
まず大神陣営で、自身でのマシン改造経験等に不安がある、レイ・ゲン・カイは対象外。残るのは、黒沢、J、二郎丸、まことの4人ですが(Rはアメリカに帰国)、二郎丸、まことはポイントは獲得したものの、第1・2レースはほぼ最下位、第3レースも完走者内では最下位のため実力不足。あとは、黒沢かJかという選択肢になります(メタ的には原作コミックスでは黒沢は序盤にしか登場しないモブキャラなので選出できないのですが。。。)。
◎黒沢とJの比較
1.SGJC後のウィンターレースの成績
WGPの開催直前に行われている次年度のウィンターレースでJは優勝しています。黒沢はというと、3位からかなり差が開いていたようです。ということで、SGJCからの成長を見込まれてのJの選出はあり得るかなと思います。アニメの描写的に、ウィンターレースの直後には鉄心先生が代表メンバーを提出しているようですし、最も現実的な理由付けかなと。
2.SGJCでの成績比較
上述の通り、SGJCの成績では黒沢の方が若干上です。
ですが、ポイント差が2pt、平均順位差が0.3位だけでは語りつくせない部分があります。
2ー1.第2レースでの黒沢の活躍
黒沢選出派の多くの理由がこのレースでの活躍です。結果的には3位で4pt獲得した黒沢ですが、前レース1位のレイや、主人公の烈・豪が雪道に苦しむ中、初代マシンのセイバーを使ってセッティング技術だけで上位に食い込んだ点、しかもレース最終盤まで1位の可能性を残したレース展開だったことから、ファンからも黒沢が相当評価されているようです。
2-2.試合展開の都合上、ポイントを稼げなかったJ
第1レースでのブロッケンGの妨害に巻き込まれてのマシン故障等がありつつも、Jは目立たないものの第1・2レースではそつなく上位~中位に食い込んでいます。
しかし主人公である烈や、最強格の敵キャラであるレイにポイントを与えたい都合上、下位になってしまいポイントが伸びていません。また第3レースでは、レイスティンガーに破壊され、豪の怒りを引き出すという、ヒロイン的ポジションになっています(笑)。
各レース6人にしかポイントを与えられず、敵味方をまんべんなく活躍させるためには、泣く泣くJのポイントが低くなってしまったのではないかと思っています。
2-3.獲得pt、平均順位以外での比較(グルーピングによる評価)
例えば、第2レースでの順位は以下のようになっています。
しかし前述のとおり、黒沢はレース全編を通してほぼトップ争いをしての3位、一方豪は、黒沢からかなりのタイム差で離れてラストストレートで烈を差しての4位でした。にも与えられるポイント差がそれぞれ1ptというのは、そのレースでの活躍度合いを適切には表現できていない気がします。
そこで各レース僅差でゴールした場合は同一グループとみなし(各レースの結果での色付けと同じです)、上位グループから順にポイントを振った場合の結果が以下になります(リタイヤもタイミングに応じて優劣をつけています)。いかにリタイヤせずに上位グループに食い込めるかが(=安定度)が重要になる指標と言えます。
僅差でゴールの例
この場合、烈が単独優勝、豪・リョウ・藤吉・レイが同率の2位となり、黒沢とJは同率の8位となります。アニメ版の順位とそこまで差はありませんが、リタイヤが2回のゲン(第1・3レース)、黒沢(第1・3レース)は評価を落として、全レースで第3グループ以内に入った烈が安定感で評価を伸ばした形です。ただ予想以上にポイント差が拮抗した形で、如何に各選手が入れ替わり活躍したかがわかりました。
僅差ゴールでグルーピングして評価した場合の順位
まとめ
SGJCでは続編のWGP編での日本代表メンバが選出されましたが、その5人目の代表であるJの選出理由について、同等の成績を残した黒沢と比較して見てきました。実際の獲得ポイントでは黒沢が上回るものの、活躍の安定度や、SGJCに続くウィンターレース優勝などを加味して、Jが代表メンバとして選出されたと考えられました。
次回以降は、引き続きWGP編での日本代表の勝敗を考察したいと思っています(すべては描かれていないリーグ戦の勝敗数の予想等)。
↓次回記事
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