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分析屋の軍師が語る データの可視化を組織的に進めるための3つのポイント

◇はじめに

初の投稿となります。分析屋社長室室長の手塚です。みなさまよろしくお願いいたします。
分析屋メンバーからは(たぶん)親しみを込めて「軍師」と呼ばれています。なお名刺にもばっちり「軍師」と書かれています。

わたしの主な業務は社長室マネジメント、戦略チーム取りまとめ、BI事業推進の3つとなっています。
日頃いろいろな方とコミュニケーションを取りながらあーでもないこーでもないと頭をひねりまくる毎日です。

今回技術ブログというアウトプットの機会をいただきましたので、3つ目のBI事業推進に関連して、データの可視化を組織的に進める上での3つのポイントについて説明したいと思います。




◇なぜ「分析」においてデータ可視化が重要なのか

われわれ分析屋はその名の通り「分析」を生業としております。
「分析」と一言で言っても色々な手法なり対象なりがあるわけですが、その中の一つとしてお客様が資産として持っている「データ」に関しての「分析」業務が大半を占めております。
巨大な「データ」を、テキストエディタなどでそのまま眺めた経験がある方はお分かりになるかと思いますが、、、、まあ、意味が分からないですよね。
その意味が分からないものに意味を付けるのが「データ」の「可視化」だと思っています。

数字の合計を取れば規模感が分かり、時系列の推移を見れば全体の傾向・流れが分かります。マップを見れば地域の特色が分かり、分布図を見れば全体のバランスが見えてきます。

そうした「可視化」により付けられた意味を縁り合わせていくのが「分析」であり、「分析」によりお客様の課題を解決することが我々のゴールとなります。
言い換えると、「分析」による課題解決の第一歩を踏み出すために、まず「データ」を「可視化」してみませんか?というご提案となります。

単純に「可視化」といっても、なかなか進められない、どうしたらいいの?という声がある中で、組織的に「可視化」を進めるポイントを3つに絞ってお伝えできればと思います。


◇ポイント1:まず何のために可視化するのかを徹底的に深堀する

お問い合わせをいただいてお客様と初めてお話をする際、わたしがいつも心掛けていることがあります。
それは、「何のための可視化なのか」を明らかにすることです。

お客様にとって、何がお困りごとなのか、何をもって可視化をしたいと考えるようになったのか、どうすればそれが解決するのか、このあたりを徹底的に深堀いたします。

  • ダッシュボードの表現が難しく、エンジニアでない自分たちには手が出ない

  • データが多岐に渡っていて量も多い、どう扱っていいか分からない

  • 既に導入はしているが、自己流が故、どうにも使いにくい

  • セルフBIを自社の文化として、従業員全員に分析ができる環境を提供したい

上記はほんの一例であり、お困りごとはお客様毎に異なります。

わたしがこの点にこだわる理由は、お客様に可視化を諦めてほしくないから、です。
以前、わたしが可視化に関するビジネスを始めたばかりのころ、このあたりの「なぜ?」を深堀していなかった時があります。そのとき、高いコストを払って可視化環境を構築したにも関わらず、1年以内に別の手段に変えてしまうお客様が多かったんですね。
なぜだろうと自問自答したときに、お客様のお困りごとに対して的確なアプローチができていなかった自分に気が付きました。

お困りごとと導入した内容にずれがある場合、そのずれは「使いづらい」ものとなり、「使いづらい」ものは使われなくなり、他のものに取って代わられる。といった経緯なのではないか。

実際、「何のための可視化なのか」にこだわる様になり、少なくとも結果に納得していただくことができ、長くお付き合いいただけるお客様が増えたように感じます。


◇ポイント2:扱うデータはシンプルに

2つ目のポイントは扱うデータそのものに関してとなります。
「分析」をする上で良く陥りがちなのが、いきなり複雑なデータに手を出してしまうことです。
ここでいう複雑なデータというのは、KPIとなり得る切り口がたくさんあるような、理解をするのに時間がかかるデータです。

複雑なデータをシンプルに見せるのが、可視化の醍醐味ではあります。
ただ、不思議なもので、複雑なデータを目の前にしたとき、人間は欲が出てくるんですね。
「あれも見たい、これも見たい、もっと見たい、もっともっと見たいーー。」という流れになり、要件だけが膨らんで結果とんでもない見積額になってしまうというのはあるあるなのかなと思います。

そこで、まずはシンプルなデータをシンプルに可視化することをお勧めしています。理由は次の3つ。

  1. 可視化のスピードが速くなり、可視化⇒仮説策定⇒分析⇒計画見直しという次へのアクションへの遷移スピードが速くなります。

  2. 複雑なデータの可視化はそもそも難易度が高く、シンプルなデータを使うことで可視化工程での挫折を防ぐことができます。

  3. シンプルな可視化を繰り返すことで経験値が溜まっていき、自分なりのセオリーができあがる。少しぐらい複雑なデータを扱っても混乱せずに適切な可視化ができるようになります。

長期的には組織の課題を解決できるような複雑な分析をすることもあるでしょう。
そのためには、シンプルなデータの可視化を繰り返し、複雑な分析をする基礎部分の習熟に務めるのが結果的には早道ではないかと思います。

といっても、複雑なデータしかないよ!という状況もあるかなと思います。
その場合はデータ側で前処理をしたり、データマートを構築して、シンプルな状態にデータを加工しておくのがよいかと思います。


◇ポイント3:適切な技術サポートで可視化の定着を促進する

最後のポイントは、「可視化」を組織に定着させる際に出てくる問題への対処となります。
メンバーがデータの可視化を学んでいくにあたり、幾つか「壁」に当たる要素があります。

  • 専門用語:データの可視化には専門用語が数多く用意されています。KPI、ドリルダウン、ドリルアップ、ドリルスルー、レポート、ダッシュボード、セマンティックモデル、など、それはもう、もりだくさんです。

  • グラフの選択:実現したいことに対してどのグラフを使うべきか迷うことがあります。絶対値はカード、推移を見たければ線グラフ、割合を見たければ円グラフなど、スタンダードな使い方はあるものの、何を使えばよいのか、わたしも今でも迷うときが多いです。

  • データ自体の意味:自分たちで使うデータにもかかわらず、その意味が分からない、ということは実はかなりよくあることです。思い込みから間違った使い方をしてしまうと、可視化内容が意図したものではなくなってしまいます。

可視化を担当するメンバーがこれらの壁にあたったときにどう技術サポートしていくか、組織として可視化を進める際にはこれが最も重要な要素となります。
わたしはこれらのお困りごとを耳にするたび、3つの対策をお勧めしています。

  1. お客様内でナレッジデータベースを作りましょう。
    自分が知りたいことがナレッジデータベースを見れば答えがあれば、壁の高さは問題になりません。

  2. 勉強会を定期的に開きましょう。
    最低限、底上げのため初心者向けの技術サポートは必要です。また、可視化するためのアプリケーションは頻繁にアップデートされているので、最新の流れに乗り遅れないことも必要です。

  3. 問い合わせをする場所を用意しましょう。
    「ぐぐってね」はもう通用しない時代に入ってきました。予め、簡単な質問を受けられるようなツールを用意しておくと、担当メンバーは安心して可視化を進めることができます。

的確な技術サポートは的確なアウトプットに繋がります。
そして的確なアウトプットがなければ定着には繋がらないので、技術サポートは定着にとって最も重要なタスクのひとつと言えるのです。


◇最後に

いかがでしたでしょうか。データの可視化をご相談いただくお客様に対して、わたしがいつも問いかけているポイントの中から3つお伝えいたしました。
それでも、

  • 何のために可視化するのかを深堀することができない

  • 複雑なデータをシンプルに加工することができない

  • 定着のための適切な技術サポートが難しい

こんな風に考えておられる方、いらっしゃると思います。
分析屋ではそんなお悩みを解決するために5つの可視化支援サービスを提案しています。
次回から、分析屋の可視化支援サービスを1つ1つ説明しながら、具体的にどのように形にしていくのかをお伝えしていければと思います。

分析屋ではBIを使ったデータ可視化に関するサービスサイトもございます。合わせてご覧いただけると嬉しいです。




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