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2023 Power to the Marketer Festival というイベントの講演内容を確認してみた

分析屋の下滝です。

メルマガ(かなり前です)で来ていたイベントの講演内容を確認してみて、海外ではどんなマーケティングテーマが発生しているのかを見てみたいと思います。

SAP Emarsys: 製品戦略、ロードマップ、革新性

1つ目。

SAP Emarsys: 製品戦略、ロードマップ、革新性
オムニチャネルとは、顧客が望むチャネルに「そこにいる」こと、その瞬間の行動に反応すること、パーソナライゼーションによってロイヤルティを創出することを意味します。
本セッションでは、SAP EmarsysのプロダクトマーケティングのグローバルヘッドであるKelsey Jonesが、北米/Platform CloudのVP EngineeringであるAnthony Sciortinoと共に、SAP Emarsys Customer Engagement Platformがどのようなものであるかを説明します:
・データを簡単に取り込み、キャンペーンを迅速に実行することで、価値創造までの時間を短縮します。
・AIを活用したパーソナライゼーション
・マーケティング活動の収益効果を実証する
・2023年以降のマーケターの厳しいニーズに対応するため、継続的に改善を行っている。

オムニチャネルの意味は、少し面白いと思いました。
・顧客が望むチャネルに「そこにいる」こと
・その瞬間の行動に反応すること
・パーソナライゼーションによってロイヤルティを創出すること

少しいい方を変えると、以下のような意味かなと思いました。
・顧客がそのときに望むチャネルにいることができるか?
・いることができたとして、顧客の行動にすぐに意味のある形で反応することができるか?
・反応できるとしても、その顧客にあった反応ができるか?

ちなみに、日本のwikipediaの説明はこうです。

オムニチャネル(Omnichannel)とは、複数の販売チャネルを活用する「マルチチャネル」販売(小売り)の進化形で、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)の境界を融解する試み[1]。購入(販売)以外の顧客の行動についても、包括的・双方向で捉えようとするところがポイントである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB

ファイヤーサイドチャット:ロイヤリティを完璧にすることで、リテンションと収益を促進する

2つの目の講演です。

ファイヤーサイドチャット:ロイヤリティを完璧にすることで、リテンションと収益を促進する
世界的な景気後退にもかかわらず、消費者調査の結果、ブランド・ロイヤリティは増加していることが明らかになりました。 しかし、疑問は「なぜ」なのか?ということです。
本セッションでは、ロイヤルティに関する最新トレンドを解説し、顧客との関係を深め、リテンションを向上させ、これまで以上にビジネスの成長を促進するオムニチャネルマーケティングの優れた活用事例を明らかにします。いくつかのトップブランドが、次のような方法で顧客ロイヤリティの技術を完成させたことを紹介します:
・データ駆動型コンテンツによるパーソナライズ
・ライフサイクルステージに応じたコンテンツとキャンペーンの調整
・スマートオートメーションによる常時接続のロイヤルティとリテンションの向上

ブランド・ロイヤリティが何かはわかりませんが、増加したようです。

ロイヤルティに関する最新トレンドを話してくれるそうです。オムニチャネルマーケティングの事例を話してくれるらしいです。

いくつかのトップブランドは、顧客ロイヤリティを完璧(完成?)にするために、次のようなことを行ったようです。
・データ駆動型コンテンツによるパーソナライズ
・ライフサイクルステージに応じたコンテンツとキャンペーンの調整
・スマートオートメーションによる常時接続のロイヤルティとリテンションの向上

「データ駆動型コンテンツによるパーソナライズ」は、顧客に合わせたコンテンツを提供するという意味でしょうか。しかもコンテンツはデータに基づいて作られている? あるいは、コンテンツは決まっているが、顧客ごとに出し分けている?

「ライフサイクルステージに応じたコンテンツとキャンペーンの調整」は、顧客にはライフサイクルがあるという意味合いでしょうか。たとえば顧客となっていない段階、顧客になった段階、顧客ではなくなった段階。もう少し分解すると、会員になった段階、最初の購買があった段階、次の購買があった段階など。

スマートオートメーションが何かはわからないですね。

It's Raining Revenue!ムーバブルインクがBrandsdalの収益の滝を構築した方法

次の講演です。

It's Raining Revenue!ムーバブルインクがBrandsdalの収益の滝を構築した方法
ノルウェーの大手美容・化粧品eコマースブランドであるBrandsdalは、eコマースマーケティングの一般的な課題に直面していることに気づきました。最近のウェブ閲覧履歴をもとに商品を勧めるだけでなく、高度にパーソナライズされた顧客体験を実現するには、どうすればよいのでしょうか。
Movable Inkの登場です。メールとストーリーにMovable Inkを利用することで、Brandsdalは「スーパーウォーターフォール」キャンペーンを構築し、147コンバージョン、AOV 60ドルを達成し、8000ドルの収益につなげました。
BrandsdalのLee Jones-AbrahamsenとAmalie Nilsen、そしてMovable InkのClient Experience ManagerであるMaria Ferreiraが、Brandsdalがすべての顧客セグメントに対して関連コンテンツを表示することで高度にパーソナライズした体験を作り出した方法について語りますのでご覧ください。

AOV は、Average Order Value(平均客単価)だと思われます。

「最近のウェブ閲覧履歴をもとに商品」は、パーソナライズされているような気がしますが、もっと別の手法なのでしょうか。

Movable Inkというツールを使ったキャンペーンが成功したという話のようです。パーソナライズされたコンテンツをメールで送ることで、成功したという話でしょうか。

サイトから説明を抜き出してみます。

Movable Inkは、あらゆる顧客エンゲージメントにおいてデータをパーソナライズされたコンテンツへと活性化させ、現在マーケターが使用しているテクノロジーを強力に拡張するものである。

日本公式のnoteがありました。

Movable Inkは、メールやアプリで、情報を受け取った人に合わせて、表示する情報を動的に変更することができるコンテンツ制作オートメーションツールです。noteではメールマーケティング、アプリマーケティングでの、パーソナライズに関する情報を公開しております。

UNDER ARMOURの事例がありました。

UNDER ARMOURはMovable Inkを導入して、顧客へ配信するメールのパーソナライズを行っています。具体的には、メールを開封したタイミングに合わせて、リアルタイムに商品の情報をメールに反映させています。

https://note.com/movableink/n/n06253ccf9306

メールを開封したタイミングで、メール内の商品情報の中身が変わるということですね。送信したタイミングでは、たとえば、メールに書かれた情報が古くなっている可能性があるということのようです。たとえば、商品が完売したなどです。

他にも、従来の課題を解決できるような話もありました。

メールリストのセグメントごとに、配信をするメールを作り分ける場合、セグメントの数分、複数バージョンのメールを作らなければなりません。
その場合、手作業で複数バージョンを作成するには、非常に時間と労力がかかってしまいます。
UNDER ARMOURは、Movable Inkを導入することで、複数のバージョンを作成する必要がなくなり、制作プロセスが簡素化されました。作成するメールの量(バージョン数)も75%削減できました。

たしかに、セグメントの数だけ、複数のバージョンのメールを作るのは面倒です。

カンバセーショナル・コマースの技を極める: Spoonflowerの22倍ROIの秘密

次の講演です。

カンバセーショナル・コマースの技を極める: Spoonflowerの22倍ROIの秘密
カスタムファブリックと壁紙のブランドであるSpoonflowerが、SMSを活用してどのように顧客の消費意欲を高めているかをご紹介します。Spoonflowerのメールマーケティング担当ディレクターであるSuz Pozzoが、忙しいホリデーシーズンにAttentive Conciergeを利用した体験談を紹介します。また、AttentiveのYahirí RodriguezとJess Wellsが加わり、次のような話をします:
・SMSで顧客と1対1のつながりを作る
・初回訪問者をロイヤルカスタマーに変える
・会話型コマースの活用による平均注文額の増加

SMSを使ったマーケティングという内容でしょうか。

Attentive Conciergeというツールの話のようです。

Ochsner Sportのパーソナライゼーション・ジャーニー: クリエイティビティとコンバージョンの架け橋

次の講演です。

Ochsner Sportのパーソナライゼーション・ジャーニー: クリエイティビティとコンバージョンの架け橋
スイス最大のスポーツ用品小売企業であるオクスナースポーツは、近年、パーソナライゼーションを強化する必要性に迫られています。同社は、部門横断的なパーソナライゼーション・プログラムを構築し、データ主導のインサイトを活用して真の顧客中心主義を実現するという、2つの重要なことを行うことでこれを達成しました。このセッションでは、Ochsner Sportのオンラインショップ管理担当チームリーダーであるJan Cahlikと、Dynamic Yieldの製品マーケティングディレクターであるEmma Furlongが、次のような議論を交わしました:
・Ochsner Sport社は、従来のマーケティングとEコマースのギャップを埋めるために、どのような革新的な方法を見つけているか。
・機能横断的なコラボレーションを実現するために社内で行った意識改革について
・パーソナライゼーション・プログラムから得た、最もインパクトのある3つの実用的な洞察。

これはちょっと具体的内容や新しい視点が何かわからないですね。

新しいチェンジエージェント: IT部門とマーケティング部門のトップがCXイノベーションを推進する方法

次の講演です。

新しいチェンジエージェント: IT部門とマーケティング部門のトップがCXイノベーションを推進する方法
IDGによると、CIOの53%は、将来的にCXへの関与を高めると予想しています。デジタルマーケティングにおいてハイテクが果たす重要な役割を考えれば、先進的な企業がCXイノベーションを推進するために、マーケティングのアートとITのサイエンスを融合させる方法を模索しているのは当然と言えます。
このセッションでは、Retail Touchpointのコンテンツ担当副社長であるAlicia Espositoが、グローバルブランドのデジタルリーダーをモデレーターとして、以下のような様々なトピックについて議論する予定です:
・カスタマーセントリックなビジョンを実現する
・効率化を促進する戦略的パートナーになる
・実用的なデータを活用し、収益を上げるパーソナライゼーション・イニシアチブを実現する
・CXに最適化された技術スタックを構築する

これもちょっと具体的内容や新しい視点が何かわからないですね。

BrandAlleyがアドボカシーデータを活用して成長を加速させた方法

次の講演です。

BrandAlleyがアドボカシーデータを活用して成長を加速させた方法
マーケティング予算の縮小やチーム数の減少に伴い、獲得コストと維持コストの話は特に重要視されています。賢明なマーケティング担当者は、紹介プログラムによる獲得コストの削減や、VIP顧客の特定と報酬の手段として、アドボカシーデータをますます活用するようになっています。このセッションでは、メンション・ミーの戦略的パートナーシップ担当ディレクターであるキャット・レイが、BrandAlleyのマーケティング責任者であるミシェル・ハーニーと共に、次のような議論を行います:
・アドボカシーデータとExtended Customer Revenueが、ブランドによるVIP顧客の捉え方をどのように変えるか。
・特定の紹介キャンペーンを設定する
・アドボカシーデータを検索連動型広告やソーシャル広告に活用する。

「アドボカシーデータ」というのは聞いたことがありませんでした。ツール?会社?の名前のようなそうではないような、と思いましたが、本当に「アドボカシーデータ」というデータの種類のようです。advocacyは、弁護や支持のような意味のようですので、「リファラル(紹介)プログラム」のリファラルと関係しているデータという意味なのかも知れません。

もう一つ「Extended Customer Revenue」というのも聞いたことがありませんでした。

https://help.mention-me.com/hc/en-gb/articles/7999620202269-Understanding-Extended-Customer-Revenue

拡張顧客収益とは、顧客が消費する収益(個人顧客収益(ICR)と呼ばれる)に、その顧客が紹介した友人が生み出す収益を加えたものです。

「顧客が紹介した友人が生み出す収益を加えたもの」というのを加味した収益のようです。

拡張顧客収益=顧客が消費する収益+顧客が紹介した友人が生み出す収益

なぜ拡張顧客収益が重要なのかの説明もありました。

高額消費者だけに注目しているブランドは、最も価値のある顧客、つまりブランドの支持者(advocates)を見逃している可能性があります。
Extended Customer Revenueは、顧客が友人を紹介することによってもたらされる追加収益を追跡することができ、これらの顧客がブランドにもたらすこれまで認識されていなかった追加価値を明らかにすることができます。

確かに、LTVのように(この場合は通常はコストを考慮した利益)、顧客ごとの売上や利益を計算して、ロイヤル顧客を定義することはありますが、ブランドの支持者が、ブランドに対して追加的にどんな収益をもたらしているのかはあまりきかない気がします。

会話を通じてより強い顧客関係を構築する科学

次の講演です。

会話を通じてより強い顧客関係を構築する科学
顧客とブランドとの関わり方は、急速に変化しています。コールセンターの保留音やカスタマーサービスのヘルプチケットは、ソーシャルチャンネルやメッセンジャーアプリを通じた即時コミュニケーションに取って代わられつつあります。
このペースの速い、常時接続のデジタル世界では、ブランドは顧客との距離を縮め、信頼を築き、個人レベルで交流するために、より「常識にとらわれない」ソリューションを探し続けています。
このセッションでは、シンチのインターナショナル・マーケティング担当副社長、アンナ・イェーガーとシニア・アカウント・マネージャー、スーザン・ステーンバーガーが、リテールコミュニケーションを形作る5つの主要トレンドを明らかにします。グローバルブランドであるZadig & Voltaire、Cdiscount、Intermarchéの事例をご紹介します:
・メッセージング・ソリューションの力を活用することで、顧客と対話し、コンバージョン率を向上させる。
・没入型・インタラクティブなブランド体験で顧客エンゲージメントを高める
・デジタルチャネルと店舗での体験を融合させ、シームレスな顧客体験を実現する。

「リテールコミュニケーション」という言い方は初めて聞いた気がします。

カスタマーセントリックなデータ戦略でビジネスを成長させる

最後の講演です。

カスタマーセントリックなデータ戦略でビジネスを成長させる
本セッションでは、SAPのグローバルプロダクトマーケティング&ソリューション責任者であるクリス・オハラが、顧客をデータ戦略の中心に据え、生涯価値を高める体験を効果的に促進する方法を紹介します。全社的な顧客データ基盤が組織の縦割りを解消し、意思決定の場でリアルタイムの顧客洞察を可能にし、顧客を本当に理解していることを示すパーソナライズされた体験を促進する方法をご覧いただきます。

具体的内容や新しい視点が何かわからないのでスキップです。

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