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今週の生成AIの気になるニュース・記事(06/24~06/28)

こんにちは。分析屋の平野です。
社内チャット部屋にて紹介されたニュースや記事を紹介します。
あっという間に7月ですね...既に暑い日が続いてなかなか辛いです...


LLMモデルなど

ELYZAは、大規模言語モデル「ELYZA LLM for JP」シリーズの最新モデルとして、Metaの「Llama 3」をベースとした700億パラメータの「Llama-3-ELYZA-JP-70B」と80億パラメータの「Llama-3-ELYZA-JP-8B」を開発し、性能を公開しました。
このモデルは日本語の生成能力において「GPT-4」超えを達成したとのことです。


カラクリ株式会社は、国産LLMの中で初めてAIエージェントとして使える「KARAKURI LM 8x7B Instruct v0.1」を公開しました。


サービス

AnthropicはClaude.aiの有料プラン、ProおよびTeamユーザー向けのコラボレーション機能「Projects」を発表しました。
「チャットをプロジェクトごとに整理し、キュレーションした情報とチャットを1カ所にまとめられる」機能としています。
プロジェクトにはカスタムデータと特定のプロンプトが保存されるため、いわゆる「コールドスタート問題」に煩わされることなく、プロジェクトを起動すればすぐに利用できるとしています。


Mozillaは、Firefoxの新機能としてサイドバーにChatGPTやGoogle Geminiなど任意の生成AIサービスを選択して統合できるようにすることを明らかにしました。
今後数カ月のうちに登場するFirefoxの開発バージョンであるNightlyにおいて、実験的実装を開始する予定です。


研究

ラドバウド大学の研究チームは、「オープンソース」を称する言語モデルのオープン度合いについて調査結果を報告しています。
研究チームは「オープンまたはオープンソースと主張する多くのAIモデルが、実際には重みを公開しているだけに過ぎません」と指摘、
つまり、外部の研究者はトレーニング済みのモデルにアクセスして使用することは可能ですが、モデルの検査を行ったり、カスタマイズしたりすることは不可能ということを報告しております。


ビジネス

東京海上日動システムズは、日本IBMと開発した生成AIを活用したコード生成ツールを使用して、プログラミング工程において、設計書からプログラム・コードを生成する実証実験を行い、平均約40%の生産性向上を実現したことを発表しました。


音声のAI学習用データを管理し、追跡を可能とする世界初のフェアトレードシステム構築を目指して、一般社団法人日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS)が26日に設立されました。
25日に会見した関係者によると、AI開発者は、認証を受けた質の高い安全なデータを購入でき、声優らにも対価が支払われるようになり、データの追跡や透明性の確保につながるため、AI開発と知的財産の保護という点からも先駆的な例となりそうとのことです。


YouTubeがソニー、ワーナー、ユニバーサルといった主要レコード会社と交渉を行い、より多くのアーティストの音楽をAIの学習データとして使用するライセンスを得ようとしていることが報じられています。


世界クラスのデータインデックス作成とクエリ機能を備える、先進的なリアルタイム分析データベースを提供している「Rockset」を買収したと、OpenAIが発表しました。OpenAIによる企業買収はこれが初です。


調査

世界最大級の金融機関である米シティグループは今月、AIの導入によって最大の打撃を受けるのは銀行業界であり、54%の職務がAIに置き換わるおそれがあると結論づける報告書を公表しました。一方、銀行業務の12%がAIによって補強される可能性があるとのことです。


活用事例

相模原市議会の一般質問にて文案づくりで生成AIを使った市議の質問と、それに対する本村賢太郎市長の生成AIの答弁がありました。
自民党の萩生田康治市議が「GPT-4o」を活用した質問を作成。生成AIの功罪を指摘した上で「どのように生かし未来を切り開いていくか」と問うと、本村市長はNECによる生成AIで作成したものを基に「他の自治体のモデルとなるよう積極的にチャレンジしていく」などと答えたそうです。


三重県四日市市は6月25日、自治体向け生成AIの業務での活用を始めたと発表しました。
文章作成や外国語の翻訳、条件や目的に沿った企画提案のアイデア出しなどに活用するとのことです。
仕事の効率化でできた時間は、人への対応や現場へ行っての確認作業など、人にしかできない業務に使うそうです。


パナソニックホールディングス傘下でシステム開発を手掛けるパナソニックコネクトは、生成AIを導入し、従業員の労働時間を1年間で計約19万時間減らせたと発表しました。
23年6月〜24年5月までの1年間で従業員は生成AIを約56万回利用し、1回当たり約20分の削減効果につながったそうです。
検索エンジンの代替といった単純な質問のやりとりだけでなく、事業戦略策定に要する顧客企業の業界を分析するリポートなど基礎データの作成といった用途にも活用されたとのことです。


スーパーマーケットチェーン運営のイオンと、学習塾運営のナガセにおける生成AIの活用事例の紹介記事です。
イオンでは商品説明文の自動生成を行っており、ECサイトにおける製品情報(商品名、セールスコピー、説明文)を、生成AIに自動で作成しているとのことです。
ナガセでは日本語から英文を作成すると、AIによる即時添削が受けられるサービスで活用しており、不正解だった部分を解説してくれるとのことです。


野村総合研究所での生成AIを活用したソフトウェア開発の開発事例の紹介です。
2023年度に、どの程度の効率化を図れるのかを実プロジェクトで実証したところ、テスト工程が最大85%、コーディング工程が最大40%の生産性向上を実現できたとのことです。


法律など

ソニー・ミュージックエンタテインメントとワーナー・レコード、ユニバーサルミュージックグループの音楽大手3社を含むグループが、テキストによる音楽生成AIサービスを展開する「Suno」と「Udio」を著作権侵害で訴えました。
訴訟を取りまとめたアメリカレコード協会(RIAA)は、著作権で保護された音楽を大量にコピーして商用モデルに取り込んだと主張しています。


その他

米AIスタートアップ「Etched」は6月25日、ChatGPTなど最新のAI技術の基盤となっている「Transformer」アーキテクチャに特化したチップ「Sohu」を発表しました。
この発表は、現在NVIDIAが支配的な地位を占めるAIチップ市場に、新たな競争をもたらす可能性があります。


バッグブランドのBAGGUは2024年6月初頭に馬をかたどったバッグなどをリリースすることを発表しました。
その後、これらのコレクションは予定通り発売されましたが、製品ページに「AI画像生成ツールの『Midjourney』を使用した」との免責事項が追加されたことから、ユーザーからはBAGGUに対する非難の声が挙がっています。


OpenAIは5月の発表イベントで予告したChatGPTアプリのGPT-4oベースの新しい高度な音声モードのα版提供開始を、当初の6月下旬から延期すると発表した。「リリースの基準に達するまでにあと1カ月必要」としています。


開発ツールのIntelliJ IDEAやプログラミング言語Kotlinなどの開発元として知られるJetBrainsは、AIによるコード生成やリファクタリングなどを自動的に行う「JetBrains AI Assistant」の生成AIとして、Google Geminiを採用すると発表しました。


生成AIが急速に発達すると共に、「人間の仕事がAIに奪われてしまうのではないか」という懸念も増加しており、イラストレーターやライター、ミュージシャンなどのクリエイターも悪影響を被る可能性が指摘されています。
そんな中、OpenAIのミラ・ムラティCTOがアメリカのダートマス大学で行われた対談で、AIがクリエイティブな仕事を奪う可能性があると認めつつ、「そのような仕事は最初からない方がよかったかもしれない」と発言しました。


Invoke、Comfy Org、Civitai、LAIONは、米コミュニティーサイト「Reddit」の「r/StableDiffusion」スレッドで、画像・動画・音声生成のためのオープンライセンスAIモデルの開発を推進することを目的にしたプロジェクト「Open Model Initiative」の立ち上げを宣言しました。


Metaが、AIで作成した写真以外の一般的な写真にまで「AIで作成」というラベルを付けた事例が発覚し、物議を醸しています。
Metaは今年5月以降、Facebook、Instagram、Threadsにおいて、AIが作成したものであると判明すれば「AIで作成」というラベルを付与しています。
今回物議を醸しているのは、これに誤判定が少なからず含まれていることで、見つかった事例では、Instagramへのアップロード前にPhotoshopを使って“画像の平坦化”を行っただけの画像にこのラベルが付与されたとのことです。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1602879.html


生成AIが生み出すミーム動画が人気となっているそうです。
火付け役の一つが、スパゲッティを食べるウィル・スミスの動画で、その後、AI生成動画は大きな進歩を遂げております。


中国・清華大学の研究チームが、1枚の写真から3Dメッシュモデルを自動生成するフレームワーク「Unique3D」を公開しました。
Unique3Dは1方向から撮影された写真から2Dの拡散モデルを応用して被写体の形状を予測し、比較的高速で3Dメッシュモデルを生成することが可能で、無料で使えるオンラインデモも公開されています。


アメリカと中国の地政学的な緊張が高まる中で、中国のスパイが大手テクノロジー企業に社員として潜入し、機密情報を盗み出すという事件がたびたび報告されています。
そんな中、GoogleやOpenAIなどのテクノロジー企業が、スタッフや採用候補者が中国のスパイかどうかを調べるセキュリティ審査を強化していると、経済紙のフィナンシャル・タイムズが報じました。


AIがますます広く使われていく時代に、ホロコーストに関する記録を保護していくことが難しくなっているとして、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が警告の意味を込めた報告書を発表しました。
生成AIやディープフェイク技術などによって、事実や歴史の改ざんが起きたり、ヘイトスピーチの拡散が起きる可能性があるとのことです。



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