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(必ずわかる!)金利の決定要因

おはようございます。

必ずわかる!シリーズ第5回は再び金利についてです。(金利の記事はPV伸びるし)

それでは始めます。


さて、一般的な金利の決定要因なのですが、大きく分けて4つあります。

 順番にみていきましょう。


①国内景気動向

好景気の場合、個人の消費意欲が増します。

われわれ一般消費者とすれば、ちょっといいものを買ってみようかなと思ったり、多く買ってみようと思ったりします。

家とかクルマとか、ローンで買おうと思う人も増えますから需要が増えます。

 借りたい人がたくさんいますから金利は引き上げられます。

企業としてはどうでしょう。

これも先ほどと同様、消費者の需要増に応えるため、生産体制増強やそれに伴う設備投資を行いますから銀行から借り入れをします。

 金利は上がりますよね。

つまり、相対的に供給に対して需要が増えている状態です。


逆の場合、相対的に需要が減りますから金利の下落要因になります。


②国内物価

国内物価が上がった場合を考えてみます。

インフレ状態ですね。

(ちなみに、インフレは物価が上昇する現象と捉えられがちですが、もう一つの側面である貨幣価値の減少の方が重要な要素です。
 というのも、輸入品と国内生産品とは物価の変化は少々異なりますし、特にエネルギー価格と生鮮食品は物価の変動が激しいですから、それらを皆同じように考えることは適切ではないからです。
 もっと言えば、消費者物価指数という統計値があるんですが、その中でもエネルギー価格と生鮮食品は分けて考える方法があります。)


長くなりましたがもう少しお付き合いください。

さて、インフレ(国内物価↑)のもう一つの側面である貨幣価値の減少の面から考えた場合、消費者からすれば、価値の減少するお金を持っているよりは物を買おうと考えますから需要が増えます。
 よって金利は上がります。


「いやいや、ワシは物価上がっとるから逆にお金使わんようになったわ!インフレなるんなら需要減るやろ!」


と思ったあなたは今の日本においては正常です。

話を再び脱線させます。

というのも、インフレにはいいものと悪いものがあるからです。

一般的に、経済が正常に発展していく場合、緩やかなインフレ(物価上昇)となります。

高度経済成長の頃の日本を思い出してください。(おれ生まれてねぇしとか言わないで)

経済の成長とともに物価は上昇。
ですが消費者は買い控えなどしませんでしたよね。

3種の神器(冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ)とか、のちには3C(カラーテレビ、クーラー、Car)とか、一億総中流の言葉が流行ったように皆競うように消費してましたよね。

国内需要増による良いインフレはこのようなかたちになります。
(ディマンドプルインフレといいます。)


一方、2022年に顕著になったインフレ(物価上昇というより高騰)の場合、経済は発展しているとは言い難いです、また、このインフレの始まりは原油価格の上昇や輸入品物価の上昇によるものでした。
 (エネルギー価格や小麦、家畜用飼料などの上昇が全てに波及した結果として起きた値上げの嵐)

つまり、需要は大して増えていないのに生産コストが上昇したことによるインフレです。
(コストプッシュインフレといいます。いわゆる悪いインフレ)


話を戻します。

よって、一般的に国内物価が上昇(インフレ)すれば、金利は上がる方向へ動くわけです。

ちなみに、以下の画像は郵便貯金の定額貯金3年以上の当時の利回りになります。

mon-ja.netより引用

いかに金利が高かったかわかると思います。


追加ですが、デフレになった時はその逆になります。
 デフレ経済への懸念から日銀の黒田総裁がゼロ金利政策を開始したことがその証左です。

③為替動向

一般的に、円安になれば金利は上がります。

今年は歴史的に円安が進んだ年でしたね。

円安が進めば、手持ちの円を外貨に換えますので日本円の資金供給が減りますので金利は上がります。

こちらも円高になれば逆に動きます。

ただ、コロナショックで一時101円台をつけたドル円でしたが、日本ではゼロ金利政策実施中でしたので、これ以上の下掘りはできませんでした。

また、相対的に円が高くなるということはドルが安くなるということですから、アメリカは利上げをしそうなところですが、国内経済悪化を危惧して金利を下げました。

 金利を下げて消費を活発化させ、経済を立て直そうとしました。

 ただ、金利を下げて市場にドルを供給しまくったおかげでインフレが止まらず、それを抑制するために、急ピッチで過去にないほどの利上げに迫られているのが今のアメリカです。
(トリッキーな例ばかりですみません。)

④海外金利


一般的に、海外金利が上昇すれば国内金利も上昇する方向に動きます。

 現在、米国金利は歴史的な連続利上げを実施しています。
 日本の投資家は利回りの高い米国債を買います。
すると日本国債の買い手が減りますから、「一般的には」国内金利も上昇する方向へと動きます。(日本国債の利回りを上げて投資家に買ってもらいたいから。)


とはいえ、実際には日銀としては低利回りで抑えたいと思っています(金融緩和継続の方針)から、指値オペによりひたすら10年国債を買いまくっています。

 ですが、海外金利が上昇している中、日本国債だけ低利回りというのはセオリーとしてはおかしいわけです。
 なので海外のヘッジファンドなどが日本の10年債を大量にショート(売り)しています。

 国債が売られて価格が下がれば利回りは上がります。
 
 んで、それに耐えられなくなったのか、黒田総裁が“市場機能の改善をはかる“ため事実上の利上げに踏み切ったという流れです。


いかがだったでしょうか。

実際のところ様々な要因の組み合わせで金利は上がったり下がったりしますが、上記4つを基本として考えていただければ、今後日本やアメリカの金利はどうなっていくのか考えるヒントになると思います。


あざした。

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