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鍼灸師になるのはやめとけ?需要・将来性をデータで可視化してみた【市場分析】

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どもー。
分析太郎です。

今回は鍼灸師の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で、
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと
キャリア選択で誤った道を
選びかねません。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。

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【第一章】鍼灸師の市場規模

 ◆鍼灸師の市場規模は?

まずは鍼灸師の市場規模から把握しましょう。
矢野経済研究所の調査によると「鍼灸・マッサージ」の2021年の市場規模は
4890億円でした(※柔道整復・鍼灸・マッサージ市場推移から、柔道整復市場推移の値を引いて算出しています。)。
グラフと表を作りました。

鍼灸・マッサージの市場推移

20年、21年のコロナ渦でも大きく規模が縮小していないことには驚きました。鍼灸治療を必要としている方が多くいらっしゃるのでしょう。
ちなみに、同規模の市場には下記のような市場が挙げられます。

  • フィットネスクラブ(4,950億円)

  • 豆腐(5,000億円)

  • アイスクリーム(5,151億円)

(出典:市場規模マップ

いかがでしょうか。
「これくらいの規模があるんだなぁ」と頭に入れておいてください。
では、鍼灸サービスの市場規模は今後拡大していくのでしょうか。
確認していきましょう。

 ◆市場規模は今後拡大するのか?

それでは、鍼灸師の市場は今後拡大するのか確認していきましょう。
矢野経済研究所の統計データでは、市場は横ばいに推移していました。
これを指数平滑法で2025年までデータを取ると、こうなります。

鍼灸・マッサージの市場予測(2017~2021は実測値、2022~2025は予測値)

当然ですがあまり大きな変化はなさそうです。
このままの推移でいけば少なくとも直近数年は、大きく規模が縮小することもなければ、拡大することもなさそうです。

ではその鍼灸市場において、需給バランスはどうなっているでしょうか。

鍼灸市場の需給バランスはどうなっている?

まずは供給側(鍼灸師や鍼灸院の数)について見ていきましょう。
厚生労働省の『衛生行政報告例』の調査データによれば、はり師・きゅう師、そして鍼灸治療を受けられる施設の数は増加傾向にあります。
表を作りました。

はり師・きゅう師の推移(1990~2020・30年間)
鍼灸サービスを提供する施設数の推移(1992~2020・28年間)

はり師・きゅう師の数は30年間で約2倍に増えています。
「はり及びきゅうを行う施術所」は2020年時点で、2004年(14,993施術所)の倍以上増えていますね。
概ね供給側のボリュームは増えていると考えて間違いなさそうです。

それでは、施術者の数で2021年の市場規模である4890億円を割ってみましょう。これで、一人の施術者で年間どれだけの売上を上げているかがわかります。
はりときゅう両方の資格を持った人の統計データが見当たらなかったので、ここでははり師の数を引用します(スタサプの「はり師・きゅう師を目指せる学校の一覧」で、鍼灸を学べる学校が67校あり、その全てにおいて同じ学科ではり師・きゅう師両方の資格を取得できる仕組みになっていたことから、ほとんどの施術者が両方の資格を取得されていると仮定します)。

489,000,000,000 ÷ 125,798 = 3,927,506

施術者一人で年間約392万円売り上げているということになります。
多いと感じましたか?少ないと感じましたか?

これは表面的に言えることですが、
鍼灸師の数や施術所は増えているので、じゃあ市場規模も同じく増加していてもおかしくありませんが、先ほどのデータでは少なくとも2017年からは横ばいが続いており、大きく成長しているようには見えません。
つまり、需給バランスが供給に偏っている可能性があります。

※イメージ

需要側について確認していきましょう。
まずは、鍼灸治療を受けている人がどれくらいいるのかについてです。
森ノ宮医療大学 鍼灸情報センターと、一般社団法人 鍼灸医療普及機構のHPの情報によれば「20歳以上の男女が、調査日から起算して過去1年以内に鍼灸を受けた人の割合」は下記のように推移していたようです。
グラフを作りました。

鍼灸院の受療率(2001~2019・18年間)

2019年の鍼灸治療の受療率は、5.2%ということでした。
つまり、20歳以上の方が20人いたら1人くらいが、1年以内に鍼灸治療を受けているということになるわけですね。
では、実際の人口に当てはめてみましょう。
表を作りました。

受療率から想定される受療人口

見ておわかりのように、
鍼灸師や施術所の増加ペースと同様の増え方はしていません。
おおよそ400~600万人台で推移しており、右肩上がりに増えているとは言えません。
相関係数を調べたところ、はり師の数と受療人口の推移には、相関がほぼ全くと言っていいほどありませんでした。


はり師の数と受療人口の相関関係


相関関係はほぼないと考えられる

これには19歳以下のデータは含まれていないため一概には言えないのですが、それを足しても右肩上がりに増えるとは考えにくいです。
従って、鍼灸市場は需給バランスが供給側に偏っている、つまりレッドオーシャン化していると言えます。

※イメージ

これから鍼灸師として独立・開業を検討している方は、厳しい戦いになることを覚悟しておいて損はなさそうです。
ただ、とはいえ5000億円近い市場規模があることには間違いありませんので、その中でどう顧客を獲得し、売上に繋げていくかを吟味すれば、まだまだ可能性はあると言えます。
第二章以降では、都道府県ごとのはり師・きゅう師・施術所の数と人口を照らし合わせて、どの都道府県がレッドオーシャンなのか、ブルーオーシャンなのかを分析していきます。

 ◆第一章まとめ

  • 鍼灸・マッサージの2021年の市場規模は4,980億円

  • 市場規模は今後数年間横ばいで推移していくことが考えられる

  • はり師・きゅう師・施術所数は増加傾向にあるが、利用者の数は増えていない→レッドオーシャン化している


【第二章】競合が多い・少ないエリア



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ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。

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