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フュリオサがフュリオサになるまで『マッドマックス:フュリオサ』【映画レビュー】

★★★★☆
鑑賞日:5月31日
劇 場:109シネマズ名古屋 IMAX
監 督:ジョージ・ミラー
出 演:アニャ・テイラー=ジョイ


ご存知の通り、本作『マッドマックス:フュリオサ(Furiosa: A Mad Max Saga)』は、2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード(Mad Max: Fury Road)』の前日譚である。

そして、その主人公フュリオサ役にアニャ・テイラー=ジョイが決まった時、思わずガッツポーズをしてしまった。
『怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが見事に演じきったあの役をこなすのは生半可な俳優ではいけない。身体・アクション・顔つき・眼光、、、誰ならできるのか。


個人的にはネットフリックスのドラマ『クイーンズ・ギャンビット』でようやく彼女を「発見」した口である。


世間的には、その前にシャマラン映画で注目されてましたね。



『ラストナイト・イン・ソーホー』『ザ・メニュー』『アムステルダム』『デューン PART2 (は、出番少しだけ)』と、その後の活躍は推して知るべし。

ちなみに、ジョージ・ミラーにアニャ・テイラー=ジョイを推薦したのは、『ラストナイト・イン・ソーホー』を監督したエドガー・ライトとのこと。


ようやく、『マッドマックス:フュリオサ』であるが、アニャ・テイラー=ジョイが演じるフュリオサは中々出てこない。

最初のシーンは、今回の悪役であるディメンタスの一味に連れ去られた幼少期のフュリオサとそれを追う母親メリー・ジャバサ。まず、この一連のシーンがカッコ良過ぎて早くも悶絶である。


メリー・ジャバサ役のチャーリー・フレイザー



『怒りのデス・ロード』でも名前は出ていたメリー・ジャバサであるが、こんなカッコイイ人だったなんて。馬に飛び乗り、バイクをかっ飛ばし、ライフルをぶっ放す。アクションすべてが、惚れ惚れするショットのオンパレードだった。

その後、ヤング・フュリオサはイモータン・ジョーの砦で、健康体の産む道具(の候補)として囚われの身となるが、隙を突いて脱出の後に潜伏。

この辺りで、ヤング・フュリオサを演じていたアリーラ・ブラウンから、アニャ・テイラー=ジョイへとバトンタッチしていたのだが、あまりにもシームレスでどのタイミングで役者が変わったのかが分からず。


アリーラ・ブラウンのフュリオサ


鑑賞後に調べてみたところ、ヤング・フュリオサのアリーラ・ブラウンから大人フュリオサであるアニャ・テイラー=ジョイへと変化していく過程で、AIが使用されていたらしい。
なるほど、ド派手なアクションは生身でやるのに、細部にはテクノロジーの力を借りるのが興味深い。


そして、正体を隠したまま砦の中でのし上がり、宿敵ディメンタスを追い詰めるまでとなったアニャ・テイラー=ジョイのフュリオサだが、もう圧巻の大興奮シーンの連続で終始悶絶である。

アニャ・テイラー=ジョイのフュリオサ


あの眼光鋭い目がすべてを物語る。
母親の復讐のため、緑の地へ帰るため、その目的を達成するための決意溢れる表情。

正直、上映時間148分の中で若干だが散漫・緩慢に感じる場面が無くはない。それにしても、フュリオサ自身の顔とアクションの凄まじさにお釣りがくる。幼少期の機転を効かせた行動の数々も見どころが多い。


『フュリオサ』を観た次の日に、配信で『怒りのデス・ロード』を見直したのだが、シリーズとして説得力が増してより深く楽しむことができた。

叶うなら、『フュリオサ』⇒『怒りのデス・ロード』と立て続けに映画館で見てみたい。そう思った方は多いのではないか。

(text by President TRM)




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