人生クライシス。
なんだか空っぽだ。
何をしても、何を考えても、ワクワクしない。
ずっと引っ掛かっていることがある。
「社会的地位」。
彼の言った「社会的地位」とはいったい何を指しているのだろう。
アメリカ大学院まで行った奴が、リゾバして生活していることを揶揄したのは事実だ。
「底辺」だと、そう思ったのだろう。
「落ちこぼれ」だと、そう思ったのだろう。
私が一番、分かっている。
私が一番、よく分かっている。
この屈辱的な未来まで、綺麗に想像できた。
だからこそ、あんなにもアメリカに、社会的ステータスに、しがみついた。
何もかもが辛かったけど、それでも心地よかった。
自分が手にしているものが、誇らしかった。
分かっていて、手放した。
生きていて、幸せだと思える人生が欲しいと思った。
生きがいのある仕事に出会いたいと思った。
全てを失っても、感じてみたい幸せの温度があった。
だから帰ってきたのだ。
全部、全部、自分の中では完結していた。
どうして、こんなにも悩んでいるのだろう。
どうして、誰かの言葉に、こんなにも悩んでいるのだろう。
社会的地位を失った今、私に残っているものは劣等感だけだ。
帰国して3ヶ月が経った。
映像の仕事も思うようにうまく見つからず、またステータスにしがみつこうとしている。なんとも情けない。
なぜ私は、こんなにも「誰かに証明したい」のだろう。
"私の人生は、これまでちゃんと、筋が通っていました。"
"私はきちんとこれだけ思慮深く、一本の道を歩んできました。”
なぜ、こんなにも誰かに説明したいのだろう。
いつもにも増して、最近はなんだか空っぽだ。
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