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幻の女神

かつて上野駅前のロータリーに大きな立像がありました。

戦後すぐの上野駅周辺には、戦災で家を失くした人や浮浪児達が溢れていたそうです。焼け跡からの復興と平和な社会を願い、長沼孝三先生は女性と子どもをそのシンボルとした像を制作します。

「愛の女神」1949年制作 セメント ※1980年消失

母が子どもを肩に乗せたその姿は、戦災で荒んだ人の心を慰め、駅を利用する多くの人々に長く親しまれていました。しかし、新幹線工事の際に誤って壊されてしまい、幻の作品となってしまいました。

※長沼孝三彫塑館では、今作のブロンズの原型を保管しています。

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