この8年の保活を振り返る

完全にXのポストの焼き増しのnoteであるが、2月は来年度の保育園内定の公表時期であり、タイムライン上は結果に悲喜交々であった。

第一志望の保育園に内定した人から、そもそも保育園の内定が貰えなかった、という方までいた。当然、住んでいる地域によって保活の状況は異なるものの、都心区においてはここ数年で劇的に改善した。自分が住んでいた文京区では提案割れが続出し、二次募集でも入れる保育園が多くある。

自分も帰国後は子供が保育園にお世話になる予定のため、年度途中でも保育園に入れるというのはとてもありがたい限りであるが、逆に経営難にならないかと不安にもなる。

すでに過去の話であるものの、都心でこうした急激な保育園の拡充していったきっかけについて、備忘録(自分語り)も含めて振り返りたい。

今から8年前、「保育園落ちた日本死ね!!!」と匿名ブログに投稿された。この投稿には、保育園に内定もらえなかった方が政治に対する不満をぶちまけたものであるが、これは国会にも取り上げられて議論となり、それがその後の大きなダイナミクスになって改善が進み、今日に至ると理解している。

さて、そもそも何でこの方がこんなにキレてるかというと、育休期間としては2016年時点では最大1年半までしか認められてなかった(現在は2年まで延長可)。そのため、0歳クラスまたは1歳クラスで保育園の内定が得られない場合には、そのまま職場に復帰出過ぎ、退職を余儀なくされてしまうからであり、その後のキャリアに穴が空いてしまうからであった。

当時は年度途中で保育園に入ることは不可能であった。認可保育園は神に許されたものだけが入所出来て、認証保育園か、無認可保育園ですら入れたら御の字くらいの状況であった。

フルタイム共働き、親族が遠方、無認可保育園に半年以上入れて待機中、くらいでようやく土俵に入れるレベルで、駅近の便利な認可保育園なんぞ片親の家庭しか入れない激戦であった。

我が家は家庭の事情もあって年度途中の復帰が必須であったが、当然区内の保育園には入れなかった。同時に、そうした事情もあって都心の企業では企業内保育を開所している企業もあり、我が家はちょうどよく開所された企業内保育園に子供を預けざるを得なかった。

一般的に企業内保育園は評判が悪かった。当然であるが、満員電車に乳幼児を乗せて通勤出来るか!という批判であり、ごもっともな批判である。

しかしながら背に腹はかえられず、満員電車の中、子供を連れて通勤した。駅まで道草しか食わない子供を抱っこして歩き、そのまま電車に乗り、時には子供ごと押されるようなこともあった。電車に乗ったあとは優先席近くに陣取って誰か席を譲ってくれることを期待した。大抵は寝ている又は寝たふりをした人が多かったのだが、心優しいサラリーマンが席を譲ってくれたこともたびたびあった。

子供は都心のコンクリートジャングルを散歩していた。園庭などは当然なく、オフィスビルの敷地内の公開空地でかけっこや鬼ごっこをしていた。企業内保育でもあり、夜の延長は寛容だった。遅くなったときにしっかりした夕食まであげてくれたので、かなり助かった。

企業内保育園で半年の待機期間を経て、満を持して区内の保育園の募集時期になった。文京区はほぼ認可保育園しかなかったため、一括で希望園を申請して、区が割り当てるというシンプルな保活であった。同時に、持ち点数と内定指数をベースとしてとにかく全落ちだけは避けるという戦略で申請した。

第一希望ではなかったものの、家から徒歩10分超の保育園の内定を得ることができた。そこで転園出来たのだが、毎朝10分以上歩いても電車に乗ることと比較すれば、格段に良かった。区内の認可保育園は企業内保育園と比較すると、預けられる時間が短かったり、夕食がなくて軽食のみとなったり、サービスとしては落ちてしまったものの歩ける距離にあるというのはとてもありがたかった。

保育園の内定は得たものの、今度は家探しをする上で最悪今通っている保育園に通える範囲で家探しをすることになった。引越先でまた同じような保活をすることは絶対避けたかった。運良く家は見つかり、結局そこに引っ越すことになった。

それからしばらく経って駐在に出ることになったので、それ以降は日本で保活をする必要は無くなった。帰国する際にも下の子はお世話になるのだが、今の様子を見ていると年度途中でもどこかは入れるため、ほとんど心配していない。

むしろ帰国の際には今度は学童保育に入れるかが不安になっている。見てみると、学童保育と民間の都市型学童も定員的には厳しそうな雰囲気であり、これはまた厄介な問題である。保育園問題は解決されたものの、今度は学童保育で悩まされており、一難去ってまた一難である。

こう振り返ってみると、結局行政側で保育の需要に対して供給を調整するのが難しいんだろう。保育園は余っているものの学童保育や小学校の教室は不足している。中々に悩ましい問題である。

保育園の保活はほぼ終わったものの、学童の保活がこれから始まる。駐在帰りの学童保育の保活については終了後にまた振り返りたい。

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