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チベットカルチャーの伝道師Norbu / ロシア国内の共和国について

BUNKNR TOKYOソ連月間第5弾はモスクワベースのロシアブランドNorbu
実はこのブランド、私Ryuseiが初めてセレクトして入荷したブランドなんです。見たこともないようなチベットの雰囲気がパッと目に止まり、指導者に提案したところBUNKER TOKYOでの取り扱いが決まりました!研究員から指導者への提案は当店の歴史上初のことらしく、私Ryusei心躍っております!ということで昨年の冬に出来たばかりの超新鋭ブランドNorbuについて、またそこから派生してロシアの共和国について解説していきたいと思います。

モスクワのチベットインスパイアブランドNorbuについて


今回のコレクションはファーストのプレコレクションのような位置に当たります。ここからは謎に満ちたこのブランドの解説をさせていただきます。

Norbuがテーマとするのはロシアの仏教カルチャー。ロシアというとロシア正教のイメージしか持たれない方も多いと思いますが、ロシア国内にも美しい寺院や仏像は存在します。ブリヤート共和国や、カルムイク共和国トゥヴァ共和国などの地域ではチベット仏教が信仰されており、仏教は17世紀初頭に、モンゴルを経由してロシアへと伝えられたとされています。
Norbuとはチベット語で宝石の意味
デザインにはチベット文字やモンゴルの吉祥紋様であるウルジーへーを用いたり、モンゴルの伝統衣装(デール)のシルエットや機能を用いたりしています。

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こちらのTシャツには「煙在るところには火もある」と書かれています。
チベット医学の教えでは、その後に「__火もあるように、症状から病の本質を診断しなさい」と続くようです。

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フーディの文字は「空(emptiness)」
クウと読み、仏教における基本的な教理。
一切法は因縁によって生じたものだから我体、本体、実体と称すものがなく虚しいと考えること、深い。

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デール風のジャケットにはチベット文字の筆記体ウメでNorbu。先ほど紹介した通り宝石の意味で、寺や修道院、僧侶の名前にも用いられる言葉です。

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最後のこちらもデール風のロングシャツ。
モンゴルの厳しい気候に合うような作りで、物の運搬や手の保護に便利な長い袖。また、遊牧民である彼らが乗馬の時に邪魔にならないようなシルエットになっています。

ロシアと聞くとモスクワやサンクトペテルブルク、シベリアを思い浮かべる人が大多数だが、その意識を変えたいという思いから生まれたブランドNorbu。
ブランドのInstagramではアイテムの紹介だけでなく、チベットの文字や言葉、寺院などのカルチャーまでも紹介しております。密教色が強く、我々にはあまり馴染みのないため神秘性の強いチベット仏教ですが、調べてみると美しい芸術や、実用性に足る教えなど魅力的な文化が古来より受け継がれています。
まずは身近なファッションから世界のカルチャーを体感していくことで、私含め皆様の世界が豊かになれば幸いです。

さて、ブリヤートやカムイルクが出てきましたので、ちょっとロシアについて深堀りしてみましょう。

ロシアの共和国について

現在のロシアは連邦制を採っており、国内に85(国際的には83)の構成主体が存在します。46の州、9の地方、3つの市、22の共和国、1つの自治州と4つの自治管区の区分が存在しております。(セヴァストポリ連邦市とクリミア共和国がウクライナと帰属係争中)

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共和国は名目上では特定の少数民族による民族自治が行われる地域を指します。
自民族の名を共和国の名に出来る民族集団を、ロシアでは基幹民族と呼びますが、共和国にはソ連成立後の数十年、あるいはその何世紀も前からロシア人を中止に様々な民族が移住しているため、先住民族や基幹民族が共和国内での多数派ではないことも多いです。

モスクワとウラジオストクで雰囲気がだいぶ変わるように、ロシア国内は地域によって異なる文化を持っています。
最極寒の地とも呼ばれるサハ共和国や、住民の半分がイスラーム教徒のタタールスタン共和国、豊かな自然と共存しているアルタイ共和国などその特色も様々です。

日本語はアルタイ諸語だとする説や、DNAに一致するものがあることからアルタイ人は日本人のルーツだという説が存在しているなど、調べてみると親近感の湧くような国もあります。

広大な領土に様々な民族が暮らすロシア。独自に形成されたカルチャーのダイバーシティはやはり魅力的です。
当店取り扱いのロシア発のブランドもブランドごとにかなり異なる雰囲気があります。
ソ連インスパイアなOLOVOや、優美さやロシアの田舎感のあるRoma Uvarov、ジェンダーフルイドなOdor、ロシアのイコンが落とし込まれたコレクションでも有名なSsanaya Tryapkaなどなど。
ロシアといっても一括りにできない多様なカルチャー。それらを深掘りしてBUNKER TOKYOから今後も発信していきますので、よろしくお願いいたします。

おまけ


Norbuのインスピレーション源にもなっているカルムイク共和国。
ロシア好きにはお馴染みおそロシ庵の主ちばユウタさんはすでに行ったことがあるようで、記事にもなっています。
カルムイクには、中央アジアの平原にのみ生息する不思議な見た目の動物サイガや、ヨーロッパの木2020で3位に選出された孤独なポプラなど、見どころがたくさん。
モスクワからバスや飛行機を使って行けるようです。
素敵な文化を持ったカルムイク含め、いつかロシアの色んな地域に足を運んでみたいですね。
Ryusei

https://osoroshian.com/archives/20200221.html

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