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「LETO」から遡るソ連の歴史的背景と小話

こんにちは、Ryuseiです。
赤派のブログを始めさせていただき、紙媒体以上に書く場をいただけたので、今回はVol6で書いたLetoのレビューを踏まえてその歴史的背景の補足をさせていただきます。

①Assa
ヴィクトルツォイも出演し、ソ連を崩壊させる原因ともなった映画と評される「Асса(Assa)」。なんと現在モスフィルムがYoutubeにて英語字幕版を無料公開してくださっています。お時間ある方はぜひご覧ください!
また、なぜこの映画がソ連を崩壊させたと言われるかについては、過去にロシアビヨンドさんが記事を書いてくださっているので、参考にしていただけたら、と思います。

②ソ連時代のロックの立ち位置
言わずもがなソ連は共産主義国であり、資本主義を敵と見做しておりました。第二次世界大戦中は、今では世界中どこでも見かけるお馴染みの炭酸飲料のコカコーラが「資本主義の象徴」として東側陣営から攻撃されることも珍しくない時代で、ソ連国内には輸入さえされない状況。(※1)
欧米などのいわゆる西側の文化はソ連では禁忌とされており、民衆が敵国の思想に感化されないよう徹底して弾圧されていました。ロックなどはその対象の最たる例で、多くのロックバンドがブラックリストに入っていたことも後の時代に判明しています。

※1 コカコーラはソ連からは隔離されていたが、ソ連将校のジューコフ元帥は一度飲んだ後その甘さにの虜になってしまい、こっそり輸入しようとしていたという事実も存在する。

https://www.google.co.jp/amp/s/jp.rbth.com/history/81047-shiroi-kora-soren-no-shougun/amp

↑BUNKER TOKYOバイヤーが買い付け時に利用する完全ソ連ホテル「Legendary Hotel Sovietsky」にあるジューコフ元帥の肖像画

https://dailynewsagency.com/2013/07/19/white-coke-cl3/


③「グッバイ、レーニン!」
2003年に公開されたドイツ映画に「グッバイ、レーニン!」というものがあります。
80年代末の東ドイツを舞台にした、ある家族の話で、物語の序盤で母クリスティアーネが心臓発作で昏睡状態に陥ってしまいます。彼女はベルリンの壁崩壊後に奇跡的に目覚めましたが、東西ドイツが統一していることを知れば社会主義に傾倒していた彼女はまたショックで倒れ込んでしまう。それを防ぐために息子のアレックスが必死で社会主義体制が続いているように振る舞う…というあらすじで、この時代の社会主義を信じていた人々の感覚を掴める良い映画です。こちらもお時間あればぜひご覧ください


④Цой жив(ツォイは生きている)
モスクワのアルバート通りにある「ツォイの壁」。ツォイの訃報のあとに誰かが書いた「今日、ツォイが死んだ」に対し「ツォイは生きている」と上書きされたのが事の始まりだそうです。モスクワの他にも、ツォイの愛した地サンクトペテルブルク(旧レニングラード)や、ロシア極東の都市ハバロフスク、隣国ウクライナのドニプロやセヴァストポリ、カザフスタンのアルマティなど各地でツォイに関する落書きが見られるらしく、彼がどれほど人々に愛されているかが伺えます。

https://www.lottehotelmagazine.com/ja/art_culture_detail?no=214

⑤Перемен!(変化)
映画「Асса」のラストシーンを飾ったКиноの楽曲。実はつい昨年2020年の9月にも脚光を浴びていたようです。今でも人々の気持ちを代弁できるヒット曲、ぜひみなさまもお楽しみください

https://www.google.co.jp/amp/s/www.chunichi.co.jp/amp/article/117043

ここまで簡単にではありますが、ソ連やツォイについて参照した記事の紹介と共に色々書かせていただきました。「LETO」でソ連が再び脚光を浴びる中、こちらの記事を読んで少しでもソ連文化に興味を持っていただけたら幸いです。

Ryusei

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