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デザイナーのおじいちゃんはKGB!?KGBを徹底解説!

カザフスタンを代表するブランドであり、当店BUNKER TOKYOでも大人気の"R.O.X"。
あまり大きな声ではいえないのですが、デザイナーRoxanaのお祖父さんはなんと元KGB!!!!!と大々的に言ってしまいましたが、今回は阪急メンズ東京でのポップアップに合わせ、当店の提案でKGBコレクションを限定ローンチ!!!!
ここだけの話、彼女曰く「使い方は間違っていたがシステムは完璧だった」というKGB。
というわけで今回の記事はKGBについての解説記事を書かせていただきます。

①KGBとはなにか

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KGB(КГБ)は「ソ連国家保安委員会」の略称であり、1954年からソ連崩壊の1991年まで存在した秘密警察および諜報機関です。
冷戦下において敵国である資本主義諸国からソ連を守るために諜報、防諜活動をしたり、軍の監視や国境警備も担当したりしていました。
紋章の剣は諜報としての、盾は防諜のしるしとしての意味があるみたいです。

ご存知ロシアの顔でもあるプーチン大統領はKGBの出身であり、東ドイツで5年間過ごした経歴もあります。そして最近ではプーチン大統領、東ドイツの秘密警察Stasi(シュタージ)に身分証を与えられていたことが話題となっています。
ソ連を再建したと話題の映画『DAU ナターシャ』にも元KGB職員がKGB役として出てきますね。

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②KGBの起源

KGBの紋章をもう一度ご覧ください。ВЧКの文字があてがわれているのが確認できるでしょうか。
実はこれ、KGBの元になった組織の略称で、「全ロシア非常委員会(チェーカー 又はヴェチェーカー)」のことを指します。

時は遡って1917年。レーニンの指導でボリシェヴィキが十月革命を達成した翌日以降。
官僚たちの間でゼネラルストライキが拡大します。
ストライキを止める必要に迫られたボリシェヴィキは、まず権力の混乱防止のため、革命の時に武装蜂起の準備を進めた軍事革命委員会を解体。
レーニンは軍事革命委員会のトップであったフェリックス・ジェルジンスキーに反ゼネストのための特別委員会の設立を一任し、サボタージュと反革命と闘うための組織「全ロシア非常委員会」がつくられました。

この組織は、ソ連の後のあらゆる秘密警察(OGPU、NKVD、KGBなど)の前身となっており、現代ロシアの連邦保安庁(FSB)もその後継の機関です。
各組織の制服も常勤服、礼服、野戦用の服とさまざまな種類があります。


③諜報とは?

世界には様々な諜報機関が存在します。
KGBもその中の一つで、他にはアメリカのCIA、イギリスのMI6などが有名です。映画や小説などでこれらの言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。
では、これらの機関の行う諜報活動とはどのようなものなのでしょうか?
諜報活動はざっくり言ってしまえばスパイ活動です。
国家の安全保障のために、外国の軍事・政治・経済などの情報を収集、時に分析や評価を行います。
また、暗殺や脅迫などの強行策や、情報撹乱やフェイクニュースの宣伝などを行うこともあるそうです。
最近ではロシアの反体制派指導者であるナワリヌイ氏が毒を盛られた可能性があるなどのニュースも話題になりましたね。
KGBの元スパイがアメリカの前大統領ドナルド・トランプ氏をアセット(情報提供者や協力者)として40年間育ててきたなんてニュースもあるほど、ロシア国内外に広くネットワークがあることが伺えます。


④秘密警察

続いては秘密警察の部分の説明です。
通常の刑事犯罪を取り締まる刑事警察や、交通取締を行う交通警察とは異なり、その時々の政権や権力者に敵対する反対勢力を取り締まるのが秘密警察です。もちろん敵は国内のみならず、外国のスパイを監視したり、摘発したりなどの仕事もあります。
チェーカーの時代まで遡れば、元の目的は国内の反革命派やサボタージュを行う人たちを黙らせるための組織であり、裁判所の決定なく逮捕や投獄をできる権利も与えられていたようです。
さらに時代を進めると言論統制や密告制度まで出来上がってしまったためKGBなどの秘密警察は恐怖の対象となってしまったといえるでしょう。
ひどい場合外国人に道を教えただけでもスパイ容疑で投獄されてしまうとか…。


⑤世界のKGB博物館

ソ連の支配を受け、多くの人がシベリア送りにされたリトアニアにはジェノサイド犠牲者博物館という建物があります。
元々はKGBの本部として使用されていた建物で、ソ連占領時代の記録や当時使われていた牢屋や拷問部屋の見学ができるそうです。

またリトアニアと同じくバルト三国に属しているエストニアの首都タリンにもKGB博物館という建物があり、実際に使われていたスパイ道具が見れたり、KGBが実際に暗躍していた時代に生きたガイドさんの解説を聞けたりするそう。

他にも、チェコのプラハにKGB博物館があったり、一昨年にはアメリカNYにもKGB博物館ができたりと世界各国で歴史を学べる場所があります。

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⑥KGBについての本

KGBにはゴルジエフスキーという男がいました。
1938年生まれソ連のエリート将校だった彼は、共産主義の現実に幻滅し、前述イギリスの諜報機関MI6に寝返り、二重スパイに。冷戦下に彼の暗躍のおかげで核戦争を回避したと言う信じ難い嘘のような史実が本人インタビューや関係者の証言からまとめられベストセラーにもなっています。

また、KGBになると「記憶術」を徹底的に仕込まれるそうです。
メモを取らずに重大な情報を一瞬で覚える必要があったり、外国人スパイとして疑われないために自然な外国語を覚える必要があったりしたため、スパイとしては記憶力は必須のスキルでした。
なんとその記憶術を紹介する書籍も出ています。


⑦まとめ

ここまでKGBの生い立ちや仕事を軽くですが紹介させていただきました。
KGBといえばソ連で恐れられた機関です。また、ソ連で恐怖政治を行なったいちばんの指導者といえばスターリンが思い浮かぶかと思いますが、実はKGBは彼の時代の後に作られたものというのも意外に思われた方もいるかもしれません。
とはいえ、フィクションの世界のみならずのソ連について学んでいくと必ず出くわす組織KGB。
この組織がどんなものだったか少しでも理解できたらまた違った見方で楽しめるかと思います

Ryusei


おまけ

ドイツのベルリンにはシュタージ時代の会議室や盗撮アイテム、西ベルリンへ逃亡しようと試みた人の記憶などを公開するStasimuseum(シュタージ博物館)があります。また、東ベルリンではシュタージの民間協力者が約20万人いたと言われ、すべての人が誰かに監視されていたのですが、現在なんと、その当時自分の監視者が誰であったかが全て公開されているのです。知りたい人は申請をすれば、自分が誰に監視されていたか知ることが出来ます。それが自分の親だったり、友達だったり、当時の恋人だったり、、、30年前の恋人との記憶が、今になってすべて否定されるなんてこともあるようで、シュタージの資料の中には現在でも未だ知られていない大きな爆弾が隠されているのではないかと言われています。また、更に詳しく知りたい方は、シュタージ協力者の葛藤を描いた映画「善き人のためのソナタ」は名作なので必見!コロナ禍により監視社会が話題となっていますが、KGBやシュタージを知ることで、監視社会が我々の社会生活にどのような影響をもたらすのかを学んでみるのも良いのかもしれません。

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