【文活12月号ライナーノーツ】ささいな笹「none」
出勤したら、卓上カレンダーの今日の日付のところに、「湯気がぽわりと立ったコーヒーカップの絵」を書く日がある。細字の黒の油性ペンで、いそいそと三秒で書く。カレンダーには、不揃いの手書きのコーヒーカップマークが数個。このマークは、早起きをしてハンドドリップをしたコーヒーを、水筒に入れて職場に持って来れたことを意味する。コーヒーは美味い。どんなおしゃれなカフェで飲むそれよりも、仕事の合間に飲むこれが一番美味いとすら思う。
だけど、冬が深まるとおふとんの引力は強くなるので、来年のカレンダーには書けないかもしれない。
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「ノベルメディア文活」の運営 なみきさんにお呼びいただき、このたび十二月のテーマ「つづく」に寄せて小説を書かせていただきました。
そして、それに加え、ライナーノーツも任せていただきました。光栄すぎて、お誘いの依頼文を何度も何度も読み返しました。うれしいです。ありがとうございます。わー、たのしかった!だけど、緊張した!
僭越ながら、ひょこっとお話しさせてください。
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自己紹介
ささいな笹と申します。
「ささいな」は形容詞、「笹」は名詞。
さささん、笹さん、たまにささやんと呼ばれています。サヤンとか。
舌噛む。
普段は事務の仕事をしています。
note歴は4年目。
趣味は旅行、散歩、食品売場巡り、食べること。
好きな言葉は「47都道府県」「食べ放題」「ご当地限定」です。
noteでは心の赴くままに、日記やエッセイ、小説などをわいわいと書いています。
ど文系。
最近、マリオテニスが上手になりました。ヘイホーが得意。
私と小説と寄稿と
noteで初めて小説を書いたのは、去年の秋口のことでした。するするーっと、リボンがほどけるぐらいになめらかに言葉が出てきて、お話が完成しました。気持ちよかった。ああ、小説を書くのってたのしいなあ、書けるかも?!とすら思うほどに。だけど、それは最初の一度だけで、そのあとは難しかったです。何時間向き合っても、何度書いて消しても、他の誰でもなく自分が満足いかないのです。
テニスで例えて言うと、「自分の文章」と「自分の心」のラリーはいつまでも続くのに、なかなか「文章」のスマッシュが「心」に決まらないのです。ばちこーん!と心に加点される感覚を知ってしまったがゆえに、ラリーが永遠に終わらないのはしんどいことです。
泥試合が続き、最近では「文章」がコートに来ない日が続いていました。そうすると「心」の方は、いそいそとマリオテニスのコートの方に出向いてしまうのです。(まあ、それはそれで悪いことではないのだろうけど。)
そんな中、寄稿のお話をいただきました。そのようなお話をいただくのは初めてでした。うれしかった。めちゃうれしかった。誰かが私の書いた過去のものを読んで、「この人なら」と思ってくれたんだ。うわあ。だけど、最近書いていなかったから、書けるかな。ストーリーを練るうちに、ずぶずぶと不安にもなりました。また「文章」と「心」のラリーはどろどろと長引きそうです。
だけど、考えてみると「文章」を相手にすると、いつも「心」は負け知らずです。早起きのドリップコーヒーも、お風呂の後のストレッチも、いつも「心」の大敗北なのにさ、私はいつも正々堂々と「文章」に挑んでる。良いものを作りたい。満足のいくものを書いてみたい。憧れの人のように心にのこるものや、あの人のようにおもしろいものを。よっしゃ、それなら「文章」とともにがんばろう。「心」が強いから、「文章」も挑み甲斐があるんじゃないか。
こうして、皆さんのご期待に添えるかは未知ですが、物語作りに向き合う決心をしました。
寄稿作品「none」について
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