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駅前猫と三時|左頬にほくろ

 
 0時は夜で、6時は朝。それなら、3時は夜と朝のどちらに属する時間なのだろうか。深夜にしてはすこし深すぎて、早朝にしてはすこし早すぎる。3時は夜ですか? 朝ですか? 誰かにそう訊ねてみても、きっと年齢や職種によって人々の答えは異なるはずだ。



「・・・という訳で、今回の撤去作業は11日に決定、となりました。イトウちゃん、すまんけど当日は3時に会社前集合で。あー、3時っていうのは11日になった数時間後の方ね? 15時じゃなくて午前の3時。AM、エーエムね?」

 11月の月次ミーティングで所長がやたらと念押ししてきた時、しんどいとか面倒くさいとかそんなことよりも、3時は夜と朝の隙間に挟まった不思議な子だ、なんてことをじいっと考えていた。
「じゃぁ、その日の定時は昼の12時でいいってことですか?」
 無論、数秒後にはそう詰め寄ることも忘れなかったけれど。

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