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月刊文芸誌『文活』 | 生活には物語がみちている。

noteの小説家たちで、毎月小説を持ち寄ってつくる文芸誌です。生活のなかの一幕を小説にして、おとどけします。▼価格は390円。コーヒー1杯ぶんの値段でおたのしみいただけます。▼詳… もっと読む
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#短編

忘れ物を探して【短編小説】

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きんいろのゆき【短編小説】

12月32日、ゆき【短編小説】

 二両きりの電車のホームで待ち合わせた里見さんは、長身を黒いロングコートに包み、ひらひらとわたしに向かって手を振っていた。  ”天ノ里の神社へ行きませんか”  里見さんから初詣の誘いが入ったのはついさっき、年の瀬迫る12月31日の夜のことだ。店の電話にかかってきた、唐突かつ素朴な誘いに、わたしの心は大きく跳ねた。  ごぉぉぉぉん、と遠くから除夜の鐘が聞こえる。ちら、と携帯の画面に目を走らせると、今年も残すところあと数十分。 「こんばんは、聡美さん」 「こんばんは、里見さ

【文芸誌・文活9月号】「のこる」をテーマに6編の小説をおとどけします。

今月のテーマ : 「のこる」今月の小説のテーマは「のこる」です。残暑が「のこる」から発想して今月はこのテーマにしてみました。読後にもじんわり感動がのこるような小説6作品があつまっています。 また、今月号はゲストに赤野シンさんをお招きしました!ひりひりと切れ味するどい文体で、文章から色気を感じるような作品を書いていただきました。ぜひおたのしみください! 【お知らせ】ライナーノーツ(作品解説)を文活マガジン内で公開します! 文活は、毎月2本の収録作品のライナーノーツを順次公開