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【野口健'S VOICE】火山としての富士山

アルピニストである野口健氏の様々な活動や取り組みに賛同している文化シヤッターグループ。その野口氏には講演会やボランティア活動などを通じて、従来より当社グループの成長発展に様々な角度からご尽力を頂いています。
この「野口健’S VOICE」は、野口氏が日頃から取り組まれている活動やその原点となった思いや考え方、さらには活動を通じて実感されたことなどを、独自の視点や切り口で綴られた連載エッセイとして当社グループ報に寄稿頂いているものです。なお、当社公式noteではこの連載エッセイを転載しています。

これまで、僕は、富士山の環境をテーマとした講演会などで、「富士山が噴火してくれたら、ゴミも全部消えてしまうんですけどね」とよく冗談を言っていた。しかし、最近は、とてもそんな冗談を言えなくなってしまった。なぜなら、この富士山、近いうちに必ず噴火すると言われているからである。

富士山が最後に噴火したのは、1707年の宝永大噴火。それまで、6000年間に180回の中小の噴火を繰り返してきた富士山であるが、この大噴火以後、現在に至るまで、300年間、火山活動をしていないのである。300年も活動していない火山なら、もう噴火しないのでは?と思うかもしれない。僕も小学校の時に「富士山は休火山である」と習った記憶がある。しかし、近年では、火山の寿命は数十万年であり、300年なんてほんの一瞬の出来事、決して火山活動を休んでいるわけではないというのが多くの研究者の見解となっている。富士山はいつ大規模な噴火が起きてもおかしくない状況にあるという。大地震が起きた後に、連動してマグマが噴火するということもあり得る。実際に宝永噴火の49日前にもマグニチュード8.6の地震が南海トラフで起きているのだ。今後30年以内に起きるだろうと言われている南海トラフ大地震。もし、この大地震に連動して富士山が噴火したら、日本にとって、過去にないほどの最大規模の自然災害となるだろう。

「富士山の火山ハザードマップ」によると、溶岩流は市街地に達し、火山灰は都内を超え房総半島まで降り注ぐというのだ。火山灰に雨が降り注げば、被害は甚大である。3㎝の火山灰で自動車は走行不能になり、屋根に降り注いだ火山灰の重みで木造家屋は倒壊。火力発電所も被害を受け、大規模な停電がおき、電車や高速道路など交通網のマヒも避けられない。

夏の登山シーズン、一日3000人もの登山者が訪れる富士山。もし、そんなときに噴火が起きたらと考えると、空恐ろしい。現在の富士山には、噴火に備えたシェルターや避難道などは設置されていないのである。 

地震、水害対策などはどんどん進んでいる日本であるが、今後は、大噴火対策も必要ではないか。火山灰に強いシャッターの開発など、ぜひぜひ考えていただきたい。

(2022年4月執筆)


【プロフィール】
野口 健 氏
アルピニスト。1973年、米ボストン生まれ。亜細亜大卒。
25歳で7大陸最高峰最年少登頂の世界記録を達成(当時)。
エベレスト・富士山の清掃登山、地球温暖化など環境問題、
戦没者の遺骨収集など、幅広いジャンルで活躍されている。

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