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「だだおし」無観客で 総本山長谷寺

 ※文化時報2021年1月14日号の掲載記事です。写真は2019年の「だだおし」。

 真言宗豊山派総本山長谷寺(浅井侃雄化主、奈良県桜井市)は、大和路に春を呼ぶ奇祭として知られる2月14日の「だだおし」を、無観客で行う方針を固めた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う措置。

 だだおしは、開山の徳道上人が閻魔大王から冥界で授かったとされる法印と法力を宿した牛玉(ごおう)札によって、赤・青・緑の3匹の鬼を退散させる年中行事。太鼓やほら貝の激しい音と、火の粉を散らす大松明の迫力が人気を集める。

 毎年、多くの参拝者が訪れ、本堂内や内舞台にもびっしり座るため、密を防ぐのが難しい。消毒用アルコールへの引火も懸念されることから、参拝者を入れず、閉門後に山内僧侶のみで営むという。ホームページで動画のライブ配信や牛玉札の授与申し込みを行う。

 だだおしは、正月の修正会に続く修二会の結願法要として、観音信仰と共に長年継承されてきた。悪魔退散や無病息災を祈る加持祈禱が由来とあって、担当者は「コロナ禍の今だからこそ行うべきであり、絶やすわけにはいかないが、検討を重ねた結果、この形となった」と話している。

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