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怪談が招いた貧乏神

日蓮宗蓮久寺・三木大雲住職

※文化時報2021年2月15日号の掲載記事を再構成しました。

 数々のテレビ番組に出演する日蓮宗蓮久寺(京都市下京区)の住職、三木大雲氏(48)は、「怪談説法」で若者への伝道を行おうとしたことが異端視され、極貧生活を強いられた。一家心中を覚悟し、信仰を捨てようとしたことで奇瑞(きずい)が現れ、絶対的な信仰に目覚めたという。「現代社会は、豊かさによって、貧乏神のありがたさが分からない人ばかりになった」と語る。(大橋学修)

特攻服の唯我独尊

 三木氏は、日蓮宗本山立本寺塔頭の教法院(京都市上京区)で、前住職の三木随法氏の次男として生まれた。地元の高校を卒業後、日蓮宗教義の研究に取り組む立正大学に進学。日蓮宗立の谷中学寮に入り、修行と学問に明け暮れた。在学中に僧侶資格を取得する信行道場にも入った。

 卒業後に教法院へ戻って法務にいそしむうち、若者への伝道に取り組もうと考えた。まだ暴走族が闊歩していた時代。たむろする公園に乗り込み、話し掛けた。

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