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「通し矢」中止 楊枝のお加持は屋外で

※文化時報2021年1月21日号の掲載記事です。

 天台宗妙法院門跡の三十三間堂(京都市東山区)は17日、開山・後白河法皇にちなみ、頭痛平癒などを願う「楊枝(やなぎ)のお加持」を営んだ。新型コロナウイルスに関する政府の緊急事態宣言を受け、感染防止対策を万全にして実施。杉谷義純門主らが、熱脳を除くとされる法具の楊枝を用い、本尊前で7日間祈願した浄水を参拝者に注いだ。

 例年は堂内で行うお加持を、密を避けるため屋外で実施。杉谷門主や京都教区内の住職らが常時2人で行い、コロナ退散や参拝者らの家内安全なども願った。

 また、江戸時代の「通し矢」にちなんで同日に行われ、昨年で70回を迎えた「三十三間堂大的全国大会」は、参加資格を得られる昇段試験が行われず、中止となった。

 例年は晴れ着姿の新成人ら、約1500人が60㍍先の的を目がけて競射するが、今年は練習もままならない人たちのために杉谷門主の導師で「弓道上達特別祈願祭」を営み、10人の新成人が半分の距離の的に向けて奉射した。

 杉谷門主は「今この時を精いっぱい生きることが大切。新成人として迎えるこの時は二度とない。大変な時こそ、普段学べないことをしっかりと学び、未来に向けた素晴らしいひとときにしてほしい」と新成人を激励した。

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