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祈りの置物 特許取得

※文化時報2021年11月29日号の掲載記事です。

 京仏具の株式会社小堀(小堀賢一会長、京都市下京区)から独立した株式会社ホゥリーズ(梅本卓爾社長、同)は、自然木に厨子を入れ込む作品群「Nature Alter(ネーチャー・オルター)」で特許を取得したと明らかにした。仏壇本体に関する特許が認められるのは異例。ホゥリーズは仏壇の枠組みを越えたさまざまな祈りの形を提唱しており、特許登録を機に消費者への普及を図る。

 ネーチャー・オルターは「自然を作り替える」という意味。北山杉の丸太をくり抜き、漆塗りや金箔押しの厨子をはめ込む作品群で、これまでに12種類を制作した。丸太の形が均一ではなく、それぞれの木肌に合わせて厨子を曲面に加工するため、高い技術力が求められる。

 特許は2021年7月6日付で、特許権者は小堀、発明者は小堀会長。従来の仏具業界にはない進歩性や、産業発展の可能性などが高く評価された。今後は、丸太からくり抜いた木で扉を作り、厨子に取り付ける「ネーチャー仏壇」の特許登録も目指す。

 ホゥリーズは2020年6月に設立。伝統教団の教義・儀式を尊重する小堀の仏壇・仏具とは対照的に、湧き上がる祈りに対応した独自の作品を制作している。自然の風合いを生かし、安置するものを本尊や位牌に限らないことなどを特徴としている。

ホゥリーズ・ネーチャー仏壇

 扉を取り付けた「ネーチャー仏壇」

ホゥリーズ・輪廻

自然にできたケヤキの空洞を厨子に見立てた作品も

 小堀会長は「伝統的な宗教と自然への祈りは、対極ではなく両極であり、誰もが矛盾なく受け入れている。特許を通じて、こうした考え方が業界にも広がれば」と話している。

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