【能登半島地震】大和郡山から能登へ「広域災害支援隊 二實」
※文化時報2024年2月6日号の掲載記事です。
真言宗護國派の北野宥範管長が代表理事を務める一般社団法人「広域災害支援隊 二實」(奈良県大和郡山市)は能登半島地震の被災地への出動を決め、1月29日、第1陣として僧俗10人が石川県能登町に向けて出発した。支援物資の運搬補助作業や慰霊廻向(えこう)、避難所視察などを軸に活動する。
事前の勧募に応じて末寺や有縁の人たちから送られてきた支援物資を、隊員や寺族らが荷造り。北野管長の自坊、薬園寺(同市)で前日の28日に出発式を行った。
支援物資はボトル入りの水や食料、ガソリン、ビニールシートなど。また、避難生活に寄り添ったこれまでの経験で、貴重品を入れる鍵付きのロッカー20口を2基調達して、車に積み込んだ。
「広域災害支援隊 二實」は2011(平成23)年の東日本大震災を受け、自分たちにも何かできないかと、二實修験道の僧侶ら有志が結成。熊本地震などの被災地で支援を行ってきた。18年の西日本豪雨では、土砂崩れで墓地が滑り宅地になだれ込んだ現場に入り、墓石などを掘り出して仮安置する活動に当たった。
北野管長は「これまでの災害とは道路状況が異なる。二實修験道の仲間に高野山専修学院出身の人がおり、まずは被災地にある高野山真言宗の寺院を目指したい」と決意を述べた。
その上で「過去の経験では、被災地にはお坊さんでなければできないことがあった。現地では今、何に困り、どんな支援が求められているのか。まずは実情を知らなければならない」と語った。
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