行楽から宗教の秋へ
※文化時報2022年10月28日号に掲載された社説です
新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限が11日、大幅に緩和された。1日5万人という上限が撤廃された上に、外国人観光客の入国はツアー以外の個人旅行も解禁された。
国境を越えた往来は、人間が文化を発展させていく上で欠かせない営みである―。この社説でそう指摘し、厳しい入国制限に異を唱えたのは2月のことだったが、今回でようやく、コロナ禍前とほぼ同じ規制に戻った。
さまざまな国籍や人種の人々と交流することで、私たちは違いを認め合い、多様性のある社会をつくることができる。「水際対策」という言葉からは島国の排他性を連想させるが、そうした冷たい表現に触れなくなっただけでも、喜ばしい。
ただ、入国制限の緩和が行楽の文脈で語られがちなことには、不満が残る。
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