【能登半島地震】「還暦以上は全員顧問」女川町の復興参考に
※文化時報2024年3月5日号の掲載記事です。写真はシンポジウムの会場となった須須神社。
能登半島地震からの復興を目指すシンポジウム「これからの珠洲の話してみんけ?」が2月18日、石川県珠洲市の須須(すず)神社(猿女貞信宮司)で行われた。東日本大震災後に独自のまちづくりで復興を遂げた宮城県女川町の取り組みを参考に、参加者らが珠洲市に必要なことを話し合った。(松井里歩)
シンポジウムは、珠洲市出身で現在は市外在住の大学生、安宅佑亮さんと浦杏寿さんが、被災した地元を案じて企画。会場に約20人が訪れたほか、オンラインでも40人ほどが参加した。
女川町の復興に携わったNPO法人アスヘノキボウの小松洋介理事は、町の産業団体や市民団体などが共同で設立した「女川町復興連絡協議会」が独自に復興計画を策定し、地域全体を巻き込んでまちづくりを進めた経緯を紹介。「還暦以上は全員顧問」として口を挟まず、これからその土地で長く過ごしていく若い世代に、復興の要諦を任せたことが特徴的だったと振り返った。
小松理事の発表後、参加者らは2030年の理想の珠洲市などをテーマに意見交換し、アイデアを書き出した。「能登の人々が大事にしているお祭りが復興の鍵になる」「昔ながらの美しさを残したままのまちづくり」など多様な意見が寄せられ、復興に必要なものが何かを再確認していた。
猿女宮司は「神社の復興と地域づくりが一緒にできればうれしい。半島の先っぽから、元気が出るようなことをさせていただきたい」と話した。シンポジウムは今後も定期的に開かれる。
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