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大祓式 前倒しか参列中止か

※文化時報2021年6月21日号の掲載記事です。写真は例年より2週間早く設置された北野天満宮の大茅の輪。

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中、全国の神社で罪や穢れをはらう半年ごとの「大祓式(おおはらえしき)」の対応が割れている。参拝者を受け入れ、茅の輪の設置を早める神社がある一方、式への参列を中止する神社もある。

 大祓式は、奈良時代に宮中で始まった神事とされ、全国の神社で前期の6月30日と後期の大みそかに斎行される。前期は「夏越(なごし)の大祓」と呼ばれ、茅の輪を設置し、和歌を唱えて「8の字」を描くように3回くぐることで、疫病退散や無病息災をもたらすといわれている。

 北野天満宮(橘重十九宮司、京都市上京区)は、本殿前で午後4時から行われる大祓式で、参拝者の受け入れを決めた。さらに、コロナ禍の早期終息を願い、楼門と本殿前に例年より2週間早く茅の輪を設置した。東川楠彦権禰宜は「感染対策を行った上で、疫病退散を願う」と話す。

 伏見稲荷大社(中村陽宮司、京都市伏見区)も、祭場で午後3時から営まれる大祓式に参拝者を受け入れる方針だ。例年、儀式の前日に出す茅の輪を、今年は1日に取り付けた。大祓式の前日にも改めて設置する。担当者は「感染対策に留意している人が多く、受け入れには問題ない」とする。

 石清水八幡宮(田中恆清宮司、京都府八幡市)も、南総門前での午後3時からの大祓式を、例年通り参拝を制限せずに行う。茅の輪くぐりについても例年同様、15日に開始した。田中博志権禰宜は「本殿に唯一通じる南総門の封鎖はできない」と話した。

 一方、感染予防として、大祓式への参列を制限・中止する神社もある。

 城南宮(鳥羽重宏宮司、京都市伏見区)は午後3時の大祓式の参列を崇敬会に限ることを決めた。茅の輪は23日に取り付ける。コロナ禍の終息を願い、昨年から始めた夏越の神楽については24日~7月7日、午前10時、正午、午後2時の3回に分けて行う。

 平安神宮(本多和夫宮司、同市左京区)は特設祭場で午後4時から斎行する大祓式の参列中止を決定。茅の輪くぐりは16日に始めた。

 春日大社(花山院弘匡宮司、奈良市)は、境内社の祓戸神社前で午後3時に始まる大祓式に、参列者を受け入れないことを決めた。茅の輪は例年と同じく30日のみくぐることができる。

 明治神宮(九條道成宮司、東京都渋谷区)は神職のみで行い、例年通り茅の輪も設置しない方針としている。(高田京介)

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