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「政治と宗教」警戒せよ

※文化時報2022年9月2日号に掲載された社説です

 第2次岸田改造内閣が8月10日に発足した。参議院選挙を経た予定調和の内閣改造だったが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長が同日、日本外国特派員協会で記者会見を行ったことは、いみじくもこの政権が旧統一教会の呪縛から逃れられないことを象徴していた。

 岸田文雄首相は組閣後の会見で、旧統一教会を「社会的に問題が指摘されている団体」と位置付けた上で、「政治家としての責任において」、関係の点検・見直しを了解した者のみ閣僚に任命したと強調した。

 旧統一教会については、前回8月26日号の社説「信教の自由に立て」で指摘した通り、宗教団体でありながら霊感商法や正体隠しの勧誘によって信教の自由を脅かしている点に問題がある。「社会的に問題が指摘されている団体」という表現だけでは結局のところ、岸田政権が旧統一教会の何が問題かをあいまいにしているか、問題だと認識していないかだ―と捉えられても仕方ないだろう。

 だから、滑稽に見える事態が起きる。

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