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比叡山麓 ほら貝の音なき一斉托鉢

※文化時報2020年12月5日号の掲載記事です。

 天台宗が「一隅を照らす運動」の一環として毎年12月に実施する全国一斉托鉢が1日、始まった。比叡山麓の大津市坂本地区では同日、森川宏映座主をはじめとする比叡山延暦寺の職員ら約50人が、鈴を鳴らしながら家々を回った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため参加者を例年の半数程度に減らし、ほら貝の音もなかった。

 職員らは、伝教大師生誕の地として知られる生源寺から、6班に分かれて出発。森川座主を先頭とする班は、門前の「作り道」を約50㍍にわたって行脚し、玄関先で迎える人々から浄財を受け取った。

 新型コロナウイルスの感染者が先月確認された天台宗務庁が参加を取りやめ、駅前などで行う街頭募金は中止となった。携帯用のアルコール消毒液を全員に配布し、飛沫感染防止のため読経の声を抑えるよう注意喚起した。

 延暦寺の水尾寂芳執行は出発に当たり、「読経の声は抑えても、感染拡大終息などを祈る心は強く持ち続けてほしい」と呼び掛けた。

 全国一斉托鉢は1986(昭和61)年に始まり、今年で35回目。12月1日を中心に全国約50カ所で行われ、寄せられた浄財は各地の社会福祉協議会などに寄付される。

一斉托鉢インデックス

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