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〈社説〉寺院を消滅させるな

※文化時報2024年5月17日号の掲載記事です。

 冷静に受け止め、「寺院消滅」に至らないための方策を練る足がかりとしたい。

 有識者でつくる民間組織「人口戦略会議」が、全国自治体の40%超に当たる744自治体で人口減少が深刻化し、「消滅する可能性がある」との報告書を公表した。

 10年前にも別の民間組織「日本創成会議」が896自治体を名指しして、消滅する可能性を指摘していた。それに比べて当該自治体の数は152減少した計算だが、だからといって楽観できる状況からは程遠い。

 厚生労働省の人口動態統計によれば、昨年の出生数は75万8631人と、8年連続で過去最少を更新した。しかも、国立社会保障・人口問題研究所が将来推計の根拠とした出生数(76万2千人)を下回っている。

 こうした少子化の現実があっても、消滅可能性を巡る議論そのものを忌避する傾向があるのは、残念だ。

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