記者会見に見た危うさ

※文化時報2022年11月4日号に掲載された社説です

　０点の記者会見だった。企業の広報・IR部門やPR会社にとっては、悪い見本という意味で格好の教材となったことだろう。世界平和統一家庭連合（旧統一教会）が10月20日に行った会見である。

　岸田文雄首相は同17日、宗教法人法に基づく解散命令請求を視野に「報告徴収・質問権」を行使し、教団の調査に乗り出す考えを表明した。20日の会見は、教団がこれに対する受け止めを明らかにし、教会改革の中間報告を行うという趣旨で開催されたのだが、ふたを開ければかなり問題のある内容を含んでいた。