【誇り】響け!ユーフォニアム3 第十二回 さいごのソリスト【実況風感想】
『響け!ユーフォニアム3』第十二回 さいごのソリストの感想です.ずっと辛かったテレビアニメ 3 期でしたが,ようやく大切なことが見えてきた気がしました.たった一度しかない「最初」を大切にして,ファーストインプレッションを思い出しながら実況風(?)に感想を書き記していきます.
以下,ネタバレを含みます
00:00 冒頭
OP カットか……
実は今期,特殊 OP だった第一回を除いて,毎回ちゃんと OP が入っていました.2 回目のオーディションでソリに選ばれなかったときも,部長失格をつきつけられたときも,ちゃんと ED にいって,次回は何事もなかったかのように OP から入っていたのです.
それがこのタイミングで OP カット!? めちゃくちゃ身構えます.正直,緊張するから OP カットは苦手なのです.でも,演出効果としてはばっちり.
01:15 オーディション結果発表
え,もう結果発表? まあでも,他に映す内容もないからそれはそうか.じゃあなんで先週の最後に結果発表まで入れ切らなかったんだ??
ユーフォが真由から呼ばれた.名前を呼ぶ順番ってどうやって決めてるんだろう.前回の結果順? 奏は,復活する理由もないし,仕方ないよな.
松本先生,ユーフォのソリずいぶん溜めるな……
久美子来た?? なんか松本先生の声に威勢が足りなくない?
え,「そして」って何!? 二人で分担でもするわけ??
静かにしろって,あなたの発表の仕方が悪いからでしょう.視聴者を揺さぶるような発表の仕方なんだから.
まあでも,投票にしたら人望のある久美子が勝つんだろうな.
02:50 滝先生@職員室
どちらが吹いているかわからないように,その手があったか.
確かに.滝先生,指導者としての責務を放棄しているのでは.
2 年前のときは,客観的にみて明らかな能力差がありました.滝先生も一度メンバーを選出していて,その上で,香織に納得してもらうために再オーディションを行いました.でも今回は明らかに意味合いが違う.甲乙つけがたいからと,諸々の人間関係もあるだろうからと,判断を生徒に押し付けているのではないでしょうか.
04:30 京阪宇治駅
改札引っかかること,たまにあるよね.でもそれをわざわざアニメで描くって,いったいどんな意図が……
05:20 黄前家
なんかただいまの声にビブラートかかってるくない?
ついに進路決めたのか.
お姉ちゃん優しいな.付箋貼る位置そこで良かったのか?
06:00 松本先生@職員室
やっぱ予想通りだよね.(一応まだ明かされてないけど,流石にわかる.学校でいろいろあった子は,学校に戻ってくると昔から相場が決まっている.作中でも,現実でも.)
06:40 ステージ準備
どこまでを含有した「高坂さん,よろしくお願いします」なんだろうな.久美子は,何も言わなくても通じ合っている.
08:10 Bパート・ロビー
久美子もようやく,諸々と向き合えて,本音を言えるようになって,本当に良かった.
みんなオーディションにトラウマあるな.
文構造が半端だけど,的確な表現かもしれない.久美子にとって,麗奈がすべてだから.
真由も演奏にはまっすぐだったんだな.きちんと音楽と向き合いたい気持ちと,部内の関係を壊したくない気持ちとがせめぎ合う中で,真由もずっと辛かったのかもしれない.そこまで気を配れる久美子,流石だな.人としては,久美子が一歩先を行っている感じ.
12:50 オーディション
本作は毎週,ちゃんとしたヘッドフォンで聞いています.
まずは 1 番.靴は見えるのか.足音とかでわからんのかな.
ユーフォが少し控えめな雰囲気がした.ペットの音をしっかり聞いて,それにユーフォが「合わせにいっている」感じ?
次いで 2 番.
ユーフォがペットと対等に演奏しているようだった.意図せずとも自然と「合っている」感じ? こちらの方が,掛け合いとして好き.
1 番が真由で,2 番が久美子だと思った.そして,2 番の方がユーフォとペットとひっくるめて聞き心地が良いと思った.
投票.手を挙げている人が,自分の予想と一致している.つばめ(と何もわかってなさそうな葉月)が 1 番.緑輝と修一,それに奏も 2 番.
麗奈挙げてないよね? 同数か.最後は麗奈が決めるか.責任重すぎる.まあでも雰囲気的に 2 番でしょ.
え,1 番!? 予想外れた!?
え,真由!?
麗奈の微妙な表情の変化.麗奈が間違えた!?
久美子が声を張り上げる.
すごい.よく言った.「大人になった」んだな.
20:40 奏
奏にもらい泣きしました.こんな風に感極まって泣いている奏は初めて見ました.まだうまく言葉にできていませんが,心から心へと直接伝わってくるものがありました.
2 年前,正直なところ,優子の気持ちはそこまで理解できていませんでした.自分勝手だなとすら思っていました.でも今,立場が変わって,ようやく当時の優子の気持ちがわかった気がします.一生懸命頑張ってきた.たくさんの人に応援されてきた.それでも届かなかった.悔しい.どうして.吹いてほしかった.報われてほしかった.そんな想いが,とめどなく溢れてきました.
21:40 宇治川
ED もカットか……
麗奈大吉山好きすぎ.てか麗奈の方から呼び出すんだ.麗奈は,自分が二択を外したせいで,二人の夢が叶わなくなって,気まずいものと思ってた.
(ちなみに最近,大吉山に聖地巡礼に行きました.良かったです↓)
さて,麗奈が必死に言葉を紡ぐ.
そうだよね,麗奈が間違えたんだもんね.
え,そうなの!?
麗奈は,どっちがどっちかわかった上で,上手いと思った方を選んだんだ.そんなことが.偉すぎる.
久美子は,
総括
今期 ED の『音色の彼方』,もうフルで聞きましたか?
C メロにこんな歌詞があります:
緑輝と葉月は自己完結なのに,麗奈と久美子は 2 人でワンセットなんですよね.そしてここにも,今回のお話の最後に出てきたのと同じ「誇り」が.麗奈や久美子にとって,青春とは一生懸命になることなんですよね.緩い部活動ではなく,音楽や,コンクールや,オーディションと,それはそれは向き合ってきました.そんな青春を誇りにして,大人になるための糧にしていきたい.自分たちだけでなく,みんなにとっても意味のあるものであってほしい.そんな北宇治であってほしい.そんな思いが感じられます(あすかに言ったらまたわがままだって言われそうですけどね).
今回のお話では,オーディションの合間で,進路の話も出てきました.これらに共通するテーマ,それは「大人になる」ということだと思います.
逆に子ども代表の久石奏さんを取り上げてみましょう(笑).奏は,「それとこの気持ちは別です」と語っています.実力のある人が演奏すべきだという頭で思っている考えと,個人的に慕っている久美子にソリを吹いてほしいとか,久美子と最後に一緒に吹きたいという心の気持ちの狭間にいて,葛藤があって,自分の考えや気持ちを整理できていないのです.
久美子の進路も似たような話です.世の中にはたくさんの進路があって.どれも一長一短で.どれもぴんとこないような.どれでも良いような.ただ 1 つを選び取るのに,とても時間がかかりました.
麗奈も迷っていたのでしょう.改札引っかかってたし.真由の方が上手だなと前々から思っていたのでしょう,アクトパル宇治でのオーディションの直前でもそんな描写はありました.それでも,もしかしたらオーディション本番では久美子の方が上手いかもしれないと,ステージの上に立つまで,さらには他の部員の得票数が道票になるまで,ずっと決めるのを先送りにしていたのです.
でも,大人になるとそうも葛藤していられないのです.大人には決断しなければならないときがあるのです.大人になるとは,自分の中にあるたくさんの気持ちに折り合いをつけることなのです.
進路を決め,自分がソリを吹きたかったという気持ちに折り合いをつけて部全体を鼓舞するような発言をした久美子も.久美子と一緒にソリを吹きたいという気持ちに折り合いをつけて真に実力のある奏者を選んだ麗奈も.二人とも,大人になったのです.
たくさんの感情に揺さぶられた,辛く長かった青春の 3 期を経て,大人になったのです.
投票で滝先生が麗奈にかけた「決まりましたか?」という言葉は,単に投票先を訪ねているだけでなく,「どういう大人になりたいか,決まりましたか?」という意味が含まれていたのかもしれません.麗奈は,久美子を裏切りたくないという気持ちを最優先したんですね.北宇治は実力主義であってほしいという久美子の気持ちを尊重することに決めたのです.
全国大会は映画になると思っていたのですが(まだ終わってほしくないという願望も含めてそう期待していたのですが),どうやら次週が 3 期最終回で,全国大会のコンクールの様子が放送されるようです.でも,もはや全国大会の結果はどうでもいいなと思っています.だって,二人はもっと大切なたからものを手に入れたのだから.