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【国分寺市議選まで20日】選挙には物語がある~まちなか駄菓子選挙に見えた選挙の奥深さ

投票用紙に、鉛筆で候補者の名前を書いて、投票箱に折って入れる。
「投票」ってそれだけのことなのに、なんだかドキドキする。

こんにちは!国分寺の投票率を1位にプロジェクトの諏訪です。
国分寺市議選まであと20日。4月に入り、まちの中で街頭演説する方も増えてきて、いよいよ選挙が近づいてきた感じにワクワクしています!

以前、選挙に行ったことがないという人に、投票所に行くと何をするの?どうやって投票したらいいの?と質問されたことがあります。
言われてみれば、選挙は年に数回もありません。たしかに、思っている以上に私たちは「投票する」という行為に慣れていないのかもしれません。

もっと毎日の生活の中に「投票する」という行為があったのなら。
まちじゅうに投票所があって、誰でも当たり前に参加できる"選挙"があったのなら。
まちの人たちが「投票する」という行為に、もっと慣れていたのなら。
そのまちの投票率は上がるのではないでしょうか。

そんな思いも込めて、国分寺の投票率を1位にプロジェクトでは、「まちなか選挙」という取り組みをやっています。
昨年の参議院議員選挙の時には「まちなか駄菓子選挙」をやり、そして今回の市議選では「まちなか野菜選挙」をやる予定にしています。

そして、実際に選挙を自分たちでやってみると、選挙には「投票する」だけではないたくさんの物語があることにも気付かされます。
今回は、そんな「まちなか選挙」からわかる選挙の裏側を、前回のまちなか駄菓子選挙の様子からご紹介します。

この駄菓子は何党所属??

まちなか選挙は、「候補者擁立」から始まる。
できるだけリアルな選挙に近い形で実施するため、フリー回答ではなく、立候補者の中から1つ選んで投票するというスタイルをとっている。既存の駄菓子選挙などの結果を活用させてもらいながら、おおよその候補者候補を挙げ、そこから実際にどの駄菓子が立候補するのかということを決めていく。

投票したくなる候補者かどうか?わかりきった結果にならないか?といった視点で考えながら、おもしろポイントとして駄菓子の「政局」も感じられるような候補者の立て方を考えていく。
その結果、候補駄菓子に所属政党をつくることにした。

政党に分類していくために、まずはグミやラムネやチョコといった駄菓子の種類で分類していく。しかし、それだけでは簡単に決まらないのがまちなか選挙のおもしろさだ。

「ヤッターメン」があぶれてしまった
ヤッターメンは麺である。同じ麺系としてはブタメンがいるが、麺というくくりではこれ以上仲間が集まらない。
2人だけの麺党でいくか?無所属でいくか?の検討が始まった。

一方で、駄菓子が集まりすぎる問題も発生していた。
強力な候補がたくさん集まるチョコスナック党から、プリンちゃんチョコが戦力外通告を出されて、行き場を失っていた。

この瞬間、ヤッターメンとプリンちゃんチョコがつながった。
あれ?これは同じ仲間じゃないか?当たりが出たらもう1つ。
それなら、フィリックスガムも呼んでこよう!
どんぐりガムもじゃない?うんちくんグミもだ!
子どもたちが大好きな、くじがついた駄菓子たちを集めよう!

まさに「結党」の瞬間である。
名前は「10円くじ党」。無限ループの可能性で、子どもたちに夢を魅せる。
これぞ駄菓子!!我ら10円くじ党こそ、駄菓子の神髄である!!

プリンちゃんチョコはチョコスナック党でもいいのかもしれない。
どんぐりガムはチューイング党でもいいのかもしれない。
それでも、今回の選挙は10円くじ党として、共に戦おう。
そんな駄菓子たちの、固い意志と戦略が見えた瞬間であった。

そうやってヤッターメンが10円くじ党を結党した一方、ブタメンは無所属として戦う事を決意。放課後のペコペコに空いた子どものお腹を満たしてくれる、駄菓子の異端児。
ここにも、ブタメンの決死のドラマが存在する。

実際の選挙でも、候補者はどこの党に所属するのか、無所属でいくのか。
自分はどういう背景を持っていて、どういう活躍をしていきたいのか。
政局や党の戦略が絡んだ様々な複雑な状況の中で所属政党を決めている。

選挙後に政党を移動することもある。候補者の思いと党の方針にずれがあることもある。それでも、政党として集う事の意味は何か。
その複雑さと、おもしろさが垣間見えた瞬間でもあった。

まちじゅうに投票所を!

候補駄菓子が決まったら、今度は投票の準備である。リアルでいうところの選挙管理事務所の役割だ。候補者のポスターを用意して、投票所を用意して、投票箱を用意して、投票用紙を用意していく。
また、駄菓子選挙では投票方法が選挙区と比例に分かれていたので、それをわかりやすく説明するための投票方法のポスターも用意し、子どもたちでも読めるようにルビを振った。

このポスターと候補駄菓子ポスターと、投票箱と実際の投票用紙と同じ素材ユポ紙で作られた投票用紙を、カフェや書店、雑貨屋、駄菓子屋、野菜の直売所、福祉作業所など、まちなかのいくつかの場所にお願いして置かせてもらった。また、私たちが開催したマルシェの中でも、駄菓子屋さんを開き、そこでも投票をできるようにした。

普段の生活の中で立ち寄るお店で投票ができる。
実際の選挙の投票所を増やすことはそう簡単にはいかないけれど、少しでも毎日の暮らしの中に「選挙」があることで、自然と選挙への意識を育てていくことができるのではないだろうか。

開票作業スタート!

まちなか選挙は、リアルの選挙と同じ日の20時投票締め切りとして、同時に開票作業スタートとした。リアルの選挙では車で運ばれる投票箱だが、わたしたちの選挙では、メンバーが自転車で回収して回った。

いよいよ開票作業が始まる。
リアル選挙の結果をパブリックビューイングとしてみんなで見ながら、まちなか駄菓子選挙の開票作業をしていく。慣れない作業に戸惑いながら、だんだんとコツをつかんでいく。
開票作業をしながら、これは票数が多そうだという予想が立っていく。駄菓子選挙の当確を出せるタイミングはいつだろうかと、そんなことを考えながら開票作業を進めていく。

作業を進める中で、想定していない回答も出てきた。
「うまい棒」という回答だ。
うまい棒は複数の味がエントリーしていて、うまい棒という回答だけではどちらの味の回答かわからない。結局、この「うまい棒」の1票は、最後に得票数に応じて、それぞれの味に振り分けられることにした。実際の選挙でもこういった按分は行われている。
この按分の結果、うまい棒コーンポタージュ味は、単独3位に踊り出ることとなった。

また、文字を読み取ることが難しい回答もあった。
開票作業をしている全員の頭を悩ませたのがこちらである。

悩みに悩んだ結果、これは「うんちくんぐみ」だろうという結論に至った。
今回の選挙では未就学の子どももたくさん参加してくれていた。文字の書き方を習っていない子たちは、見様見真似で一生懸命文字を書いて参加してくれた。
これがそういった子どものものかはわからないのだが、文字の一部が抜けてしまったり、鏡文字だったり、途中の文字が抜けてしまったという可能性を考慮し、「うんちくんぐみ」ということでいいじゃないか、という結論に至った。実際の選挙では、無効票になるのだと思うけれど。

まちに暮らしているのは、文字を書ける人ばかりではない。
一生懸命書いて、どうしても投じたいと投じられた一票に、どれだけの思いがこめられているのだろう。
ここに書かれた文字を読み取りながら、その重さをずしんと感じた瞬間でもあった。

誰でも投票できる選挙って?

選挙が終わった後、メンバーの一人が聞かせてくれたエピソードがある。

投票箱の一つは、福祉作業所に置かせてもらった。
作業所と併設する施設に通うメンバーが、丁寧にまちなか駄菓子選挙について説明したところ、そこの投票所から投票してくれた方のご家族がお手紙を寄せてくれたという。

これまで息子は、選挙権はあっても投票することはできませんでした。
投票所に行って自分の意志で選んで書いて投票することは難しい。それでも、今回の駄菓子選挙では、毎日の生活の場で自分の意志で選んで一票を投じることができました。自分の子どもが初めて嬉しそうに投票する姿を見て、ものすごく感激しました。

(いただいたお手紙の内容をもとに、編集しています)

まちには、選挙権があっても投票に行けない人がたくさんいる。
私たちの手元にある、誰でも当たり前に持っていると思われている、その一票そのものにも、ここに至るまでのたくさんの物語が存在する。

当選した駄菓子ベスト10

そんなたくさんの思いが集まって、当選した駄菓子ベスト10が決まった。
ご協力いただいたお店の中には、しばらく結果を貼りだしてくれていたお店もあり、自分の投票した駄菓子が入ってるかどうか、お店に確認しに来てくれた子もいたという。

「まちなか駄菓子選挙」は、単純な人気投票とは少し違う結果となる。
この結果をじっくりと見ていくと、なかなかに味わい深いものがあり、選挙という仕組みの奥深さも実感できる。

◎選挙区方式の結果(当選枠6)

◎比例方式の結果(当選枠4)

「選挙には物語がある」

それが、まちなか選挙をやってみて一番感じたことでした。
駄菓子選挙でもこれだけの物語が生まれるということは、リアルの選挙では、それこそ数えきれないくらいのたくさんの物語が生まれているはずです。

そんな、自分のまちで生まれる、たくさんの物語に思いを馳せながら、それぞれの選挙の物語を楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。

どんな一票も、まずは「投票をする」ということから始まります

選挙に慣れてないという方は、ぜひ「まちなか選挙」から。
一緒に選挙を楽しんで、物語を紡いでいきましょう。

【今回のまちなか選挙は野菜選挙】

今回は「野菜」をテーマに選挙準備を進めています。
味、色、料理方法など、野菜たちはどんな戦略で選挙に挑むのでしょうか。

現在、候補者擁立が終わり、投票開始に向けた準備を進めています!
「まちなか野菜選挙」は4月10日より順次投票スタート予定!投票締め切りは、国分寺市議選と同じ23日の20時の予定です。
(※投票期間は投票所によって異なります)

ぜひぜひ一緒に、選挙を楽しんでいきましょう!!

(文責:諏訪玲子)

プロジェクトの取り組み全貌はこちらから!

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