掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【コガネメキシコインコの成長記録】
月刊誌「BIRDER」で連載中の「掛川花鳥園出張ガイド」で、2022年10月号はトキの営巣について紹介しました。掛川花鳥園では、ほかにもさまざまな鳥が繁殖したり、子育てをしたりしています。
そこで、今回はコガネメキシコインコの子育てを紹介したいと思います！
コガネメキシコインコはこんな鳥！
コガネメキシコインコは、野生では南米の北東部に分布している鳥。メキシコインコの名がついているが、実際にはメキシコには生息していません。大きな群れをつくる鳥で、種子や果実を食べて暮らしています。
花鳥園では人にもよく慣れる気質を活かし、お客さんとの触れ合いコーナーの人気者になっています。
成鳥は写真のように鮮やかなオレンジ色ですが、そんな彼らの若かりし日はというと……
じゃん！
まだら模様の多いこのコガネメキシコインコ2羽。
実は当園で生まれた個体で、撮影時は生後5ヶ月ほど。
自分で餌を食べられるまで大きくなったので、お客さんの前にデビューしたときの様子です！
手前のカメラに興味津々なのが次子で、奥のクールなのが長子です！
この二羽とは別に、もう少し月齢の経った若い鳥たちも見ていきましょう。
この通り、コガネメキシコインコは若いころは緑の羽根が多く、成長するにつれ黄色みが増していきます。
インコの成鳥記録
まずは産まれたての卵。大きさは大体4㎝くらい。
コガネメキシコインコの頭くらいの大きさです。
小さな卵なので、生まれる雛もとっても小さいです。
鳥の雛といえば、最近よくテレビでも見かけるのはふわふわのカルガモでしょうか。ほかの動物でも、赤ちゃんはふわふわしていて可愛らしい印象がありますが、インコの雛は羽毛が生えていません！
丸裸で元気よく鳴いている姿は元気いっぱいでインコならではのかわいらしさがあります。
ちなみに、生まれてすぐにふわふわの羽に覆われている雛は早成性といい、キジやカモなど、陸生の鳥に多いです。丸裸の雛は晩成性と呼ばれ、インコやスズメ、ツバメなど樹上で暮らす鳥に多いのです。
1ヶ月後の姿がこちら！
頭に黄色、背中に緑の羽根が少しずつ生えてきました！
この背中や翼に生えているトゲのようなものは筒状になっていて、「羽菅」といいます。中には羽毛が入っていて、成長に連れて割れて粉のようになって剥がれていき、収まっていた羽毛がふわっと広がる仕組みです。
さらに１ヶ月後。
もう一目見てコガネメキシコインコの雛だとわかる見た目になりました！
なんだか顔つきもキリッとしてきましたね。
体重測定を行い…よしよし、成長してるね！
お家の様子も確認すると……
と親鳥に怒られてしまいました…ごめんよ！！
今回は生育の確認で様子を見させてもらいましたが、子育て中の鳥はとても神経質です。特に野生の鳥は、人に見られているとわかると営巣を放棄してしまうこともあるので、離れてそっと見守りましょう。
さてさてさらに半月後。生まれてから2ヶ月半後です。
彼らははたして……
んっ？
あれ、大人のコガネメキシコインコが４羽？
いえ！よく見ると……
なんと！奥の止まり木に止まっている２羽が雛たちなんです！
……もう大人じゃん。
鳥類の成長速度は鳥にもよりますが、犬や猫などに比べるととても早いです。
巣の中でいつまでも飛べないと、天敵に狙われてしまうからです。
なので２～３日会わないと本当にあの雛か……？と思うくらいのスピードで成長していきます。
体は大人になりましたが、仲間の群れとの合流は初めての冬を越してからになりました。今はすっかり大人で、元気にふれあいルームで飛び回っています！
いろいろな鳥の卵
掛川花鳥園では、さまざまな鳥の繁殖に挑戦していて、卵の展示も行っています。全羽ぶんではないですが、どんな大きさの卵を産むのか、色や柄など個性的でおもしろいので、ぜひチェックしてください。
月刊誌「BIRDER」で「掛川花鳥園出張ガイド」を好評連載中！
BIRDERでは、さらに花鳥園の鳥たちについて、毎月いろいろなテーマで紹介する連載を掲載しています。楽しい漫画やイラスト入りで、会いに行きたくなること間違いなし！
BIRDER10月号の連載テーマは「迷“巣”!? トキ雛フィーバー」
久しぶりの巣作りで個性的な巣を作り上げてしまったトキたちの迷走っぷりを紹介しています！
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掛川花鳥園
掛川花鳥園は「花と鳥とのふれあい」が楽しめるテーマパークです。
広大な敷地の中に大温室やスイレンプール、池や牧場などを備えています。
冷暖房完備のガラスハウスは、夏涼しく冬は暖かく、全天候型なので雨の日でも安心。一年中快適な空間で花や鳥とのふれあいをお楽しみいただけます。
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