見出し画像

「ファンタジーマップシミュレーター体験版」を遊び倒したい~①西洋ファンタジー世界(基本編)その2


前回の記事とか

 本記事は、Steamでアーリーアクセスである「ファンタジーマップシミュレーター」体験版のプレイ雑感です。
(8/21追記:開発陣から「体験版の提供を8/25をもって終了する」旨の告知がありました。)

前回の記事はこちら。

おことわりとか

 前回の記事を参照。

  • 2024/8/7時点の情報です

  • SNS活用ポリシーは見つかりませんでしたが善かれの精神でやらせてもらってます

  • プレイというほどの操作はしてないですけどプレイヤーと自称します

「西洋ファンタジー世界」編(その2)

前回までのあらすじ

小国が乱立していた大陸は征服による集約の結果、法兰克尼亚福雷兹诺福基亚纳博讷の4か国に分かれ、互いに対立していた。

暗雲きたりなば

 さて、前回までの情勢図と変わらないのだが、ちょっとこいつを見てほしい。

図5:おや、左上に黄色いシミが……

 左上の内海の沿岸にこれまで見たことのない黄色いシミが登場した。
 これは反乱によって建国された新勢力、乌斯特耶である。
 ときおり、反乱によって国が新たに生成されることがあり、この乌斯特耶もその一例だ。
 ただ、反乱新設国家は最初は1州1部隊しか保有していないので、そのままでは周囲の国に潰されて終わるだけである。そこで反乱新設国家には、システム側から兵力の増強(と、多分ほかにも諸々)のブーストが提供されることになっている。
 つまりどういうことかというと……

図6-1:乌斯特耶の急拡大(左上黄色)
図6-2:乌斯特耶の急拡大(左上黄色)

 とこのように既存国家をなぎ倒してしまうのだ。
 ……もっとも、今回の乌斯特耶の場合は周辺国が小さかったから単独でも併呑で一区切りついたのであって、相手が、たとえば今回なら4大国であれば、ブーストがあってもそう容易には伸びず、二進一退の攻防が続くことになるのだが。(大国は前線に兵力を集中しているので、その中央にポツンと発生すると鎮圧には遠くの前線から兵力を引っこ抜いてこなければならなくなる。したがって大国でも対内乱脆弱性は十分にある。)

第1回大反乱祭りのお時間です

 さて、乌斯特耶の躍進の記憶も新しい中、今度は法兰克尼亚の下方、福雷兹の左方に、因斯布鲁克が発生した。

図7:因斯布鲁克の誕生

 なるほどブーストが効いて順調に伸びてはいる。しかし4大国の真ん中であり、大国それぞれの前線に近くて抽出兵力の到着にも時間がかからない。
 残念だが、因斯布鲁克単独では圧迫されて消えてしまうだろう……。
 そう、「単独」ならね。
 ……実は、ファンタジーマップシミュレーターでは、勢力拮抗などのマンネリ防止のためか、数十年に一度(五十年に一度くらいを中心にランダム分布?)、時間差で次々に反乱国家が新規設立されるというシャッフリング機能が装備されているのである!個人的にはこれを「反乱祭り」と呼んでいる。
 要は、乌斯特耶因斯布鲁克は単なる始まりに過ぎず、このあと陸続と反乱が続くのである。無論全ての新設国家にはブーストが付与されている。
 どういうことかというと、

図8:第1回大反乱祭り会場

 ……こういうことになる。というか、なった。

騎馬国家・因斯布鲁克の躍進

 さて、反乱祭りの結果、4か国体制とか仮の名前を付けていたものはほぼ崩壊した。

図9:4か国体制の崩壊

 4か国のうち福雷兹は既に無く、法兰克尼亚纳博讷は押し込まれて息も絶え絶え、唯一诺福基亚だけはまだサイズを維持しているが、周辺を新規独立国に囲まれた上に真ん中でまた別の反乱国家が誕生、と数年前の面影はまるでない。
 さて、なんで反乱祭り国家の中でも因斯布鲁克がこんなに急伸したかというと、それはおそらく「国家の特性(trait)」にある。traitは初期配置または新規独立の際にランダムに付与されるもので、2024/8/7現在ではプレイヤーから介入して付けたり消したりすることはできない。

図10:因斯布鲁克の拡大と国の情報ウィンドウ

 因斯布鲁克はその中でもかなり強力な「騎兵の伝統(Cavalry Tradition)」を持っている。これは軍団の移動速度が全体に上昇する代物。
 先ほどから繰り返すように、各国はホットな戦線にしか軍団を置かない。現在進行中の戦争以外のところで戦争が発生した場合、兵力を引っこ抜いて移動させて戦線新規構築で対処することになるのだが、移動力が他国より高いということはこの戦線構築にかかるまでの時間が短い、すなわち相手の奇襲効果を減殺できる。こちらから宣戦布告する場合でも、AIは兵力の事前集結などはせず、宣戦布告後に泥縄でえっちらおっちら逐次投入して攻勢兵力を作るところから始めるのだが、移動力が高いというのはこのえっちらおっちらにかかる時間が短い、つまり攻勢準備が整うまでの時間が短いわけである。その他、突破と後方遮断による各個撃破じみたことも発生し、推し国家にはぜひつけておきたいtraitの一つだ……だが2024/8/7現在、プレイヤーからは各国のtraitは弄れないのだが。

図11:大陸統一決勝戦

 というわけで、大陸に残ったのは機動力で他の追随を許さない因斯布鲁克と、新設国家ブーストが切れるまで反乱祭りをしのぎきり、そこから反攻を成功させた诺福基亚の2国のみとなった。とはいえ、国力すなわち兵力的に因斯布鲁克の優位は明らかである。
 もしかしたならば……
 もしかしたならば……
 大陸は 統一されるのではないか。

ようこそ第2回大反乱祭りへ

 しかしこのとき、過信の報いはすぐそこに迫っていた。

図12:第2回大反乱祭りの烽火

 あ。(左下)
 そして反乱国家は1個みたら30個出ると思えと古事記にも書いてある通り、

図13:第2回大反乱祭りのどったんばったん大騒ぎ

そしてこうじゃ。

図14-1:因斯布鲁克最後の14日間(比喩)
図14-2:因斯布鲁克の終焉

 さらば、因斯布鲁克。君のことは……多分忘れる。

死と新生

 そしてさらにこうなった。

図15:いったん終了

 このあと卡勒多纳斯が勢力を伸ばし、次の反乱祭りを退けて大陸を統一するのか、はたまた今や大陸唯一のゲーム開始からの存続国家で防勢に強い诺福基亚こそがしぶとく生き延びて栄光を掴むのか。あるいは第3次反乱祭りですべてが記憶のかなたに消えるのか。
 名残は尽きないが筆力と根気が尽きたのでここまでとする。

多言語対応? してますとも(UIは)

UIと地名データは別

 ここまでお付き合いいただきありがとうございます(急に殊勝になる)。
 スクショだけだけれども、大体の流れは掴んでいただけたら幸いです。
 とはいえ、法兰克尼亚だの因斯布鲁克だのと、見かけない表記に困惑された方も多いと思いますが、しかしこれが簡体字圏にとっての西洋ファンタジー世界なのです。うん。「中世から近代の我らがヨーロッパが舞台のように見えるが、並んでいる固有名詞はカタカナだかカタカムナだとかいう謎の文字」というラテン文字民の当惑を一周遅れで堪能できますね。
 見出しの通り、ユーザーインターフェース周りは多言語対応に成功しています(怪レい日本語とかもあるけれど)。しかし、「西洋ファンタジー世界」の地名データは簡体字版と英語版の二種類しか用意されていません。
 ちなみに英語版はこんな感じ。

図16:西洋ファンタジー世界・英語版

 ……これはこれで雰囲気はあるんだけど、死ぬか生きるかの洋ゲーストラテジーをやってるときなら相手がラテン文字でも必死に固有名詞を頭に叩き込んでおくけど、いやぁこの作品はボーっと眺めるのがメインだから、英語というだけで頭を使ってしまうボクにはちょっとお気楽ではないねぇ、と思うのでした。
 まあ体験版だしね。そこはね。仕方ないね。
(8/22追記:体験版での(多分)最終アップデートにおいて、各国名に日本語カナ表記が追加されました。とはいえ簡体字西洋ファンタジーも独自の雰囲気があって面白いですわよ奥様。)

次回予告

 よろしい、ならば次は中国語圏の提示する「東洋ファンタジー世界」とやらを試させてもらおうじゃないか。
 次回、「「ファンタジーマップシミュレーター体験版」を遊び倒したい~②東洋ファンタジー世界(ちょっち応用編)」(仮題)に続く。

#ファンタジーマップシミュレーター
#架空地图模拟器
#PCゲーム
#Steam
#SLG
#パラドゲーライク

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?