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「ファンタジーマップシミュレーター体験版」を遊び倒したい~②東洋ファンタジー世界(ちょっち応用編)


前回の記事とか

 本記事は、Steamでアーリーアクセスである「ファンタジーマップシミュレーター」体験版のプレイ雑感です。
(8/21追記:開発陣から「体験版の提供を8/25をもって終了する」旨の告知がありました。)

前回の記事はこちら。

おことわりとか

 前回の記事を参照。ただし多少変えます。

  • 2024/8/11時点の情報です

  • SNS活用ポリシーは見つかりませんでしたが善かれの精神でやらせてもらってます

  • プレイというほどの操作はしてないですけどプレイヤーと自称します

  • 筆者はnoteに不慣れなので随時改稿します

  • 作者と筆者の間に利害関係はありません。(Welcomeですよ~)

「東洋ファンタジー世界」編

「西洋ファンタジー」編を振り返る

  • 国と国とがわちゃわちゃしてて、眺めてると楽しい

  • 一方で、簡体字での「西洋ファンタジー」は筆者には抵抗があった

……ならば見せてもらおうではないか、簡体字圏の作る「東洋ファンタジー」というものを!

まずはMODの切替

 というわけで、まずは「東洋ファンタジー」に切り替えよう。
 マウスを画面の下辺にドラッグすると総合メニューが出るから、「地图编辑」(追記:8/22付アップデートで日式漢字に修正)を選んでサブメニューを出し、「地図を編集」をトグルONする。
(付記:2024/8/11現在、「地图编辑」サブメニュー周りに多少のバグがあるようなので、後述の操作ボタンが出るまで何回かON/OFFを繰り返すことをお勧めする)

図1:「地图编辑」サブメニュー

文化集」を選んで「東洋ファンタジー」をトグルON、「西洋ファンタジー」をトグルOFFする。ちなみに西洋ファンタジーをOFFにせず、両者混在の「東西ファンタジー国家大決戦モード」にすることも可能だが、まだ「ちょっち応用編」なのでそういうカオスは後回しにすることにする。
 最後に「国を生成」を選んで、新たに選んだ国名文化集による国家のランダム再配置を実行。
 なお、サブメニューは自動では閉じないので、全部済んだら「閉じる」を選択すると画面が広く使えてよい。なお「マップ消去」を選択すると全陸地が消滅するので万が一にも誤クリックはしないように注意されたし。
 それで出来上がりは例えばこんな感じ。

図2:「東洋ファンタジー」初期状態(の一例)

 ……いやいいんですよ、「芈共和国」とかあっても。「共和」という言葉の起源は中国の周時代ですからね。(それをrepublic(res publica)の訳語に当てはめたのはいつの誰よという話はおいておく)

(8/21追記:8/21の大型アップデートで、文化ごとに使用される政体を一部抑止できるようになった。アーリーアクセス版以降、東洋に共和国は出現しないものと思われる)

ぼくのかんがえたのとちがう(その1)

国号だけにしたい

 でも「連邦」だとか「共和国」だとか、「ぼくのかんがえた『東洋ファンタジー』となんかちがう」という偏見があるので、政体表示を削って国号表記だけにしたいと思う。
 同じく総合メニューからサブメニュー「マップの外観」を選んで、「国名をフルで表示」をOFF、ついでに「国名スケール」を最大にする。

図3:「マップの外観」サブメニュー

 政体表示の削除は一時停止中には反映されないこともあるが、サブメニューを閉じると時間経過とともに再描画されて反映される。で、こんな感じに。

図4:国号だけにしてみた

 うん、ちょっとだけニセ「殷周伝説」みたいになったね。(ここでアフィリエイトリンク)

 ちなみに英語でも同様のことはできるが、

図5-1:英文表記の「東洋ファンタジー」
図5-1:英文表記の「東洋ファンタジー」

 ……英語圏で中国史の勉強をした人なら「雰囲気がある」と思うかもしれないね!(チクチク言葉)
 ちなみに唐突な"Mie"が混ざっているが、これは三重県ではなく「蔑国」のことである。(だから英語文献は筆者みたいな半可通趣味者には向かねぇんだよ……)

ぼくのかんがえたのとちがう(その2)

骨の髄まで日式漢字で育ってきた

 しかし、それでも筆者にとっては「ぼくのかんがえたのとちがう」のである。原因は主として簡体字だ。といっても、別に簡体字差別とか繁体字至上主義とかではない。
 筆者は烏山喜一「黄河の水」から入って、山川世界史資料集で育ってきてしまった成育歴の持ち主である。従って、今さら日式漢字を離れては生きられないのだ。「北赵」は「北趙」であってほしいし、「荣阳」は「荣陽」であってほしいのである。
 ……というまったく個人的な都合である。(ここでアフィリンクのお時間です)

公式が用意しないなら非公式に用意すればいいじゃない

 さて、先刻「文化集」を選択したところでお気づきになったと思うが、文化の管理画面には「MODを管理」というメニュータイトルがつけられている。ならばユーザーMODを作っても許されるに違いない。違うか、違うか戴宗ぉぉぉぉぉっ!(cv:秋元羊介)(横光つながりで)
 ぜいぜい。
 というわけで私的MODを作ってみよう。といっても作者さんのピックアップしたアイテムからなるデータベースを改変するわけであるから、著作権の問題は存在しうる。MODポリシーらしきものも見当たらない。
 一応、当方は日本法の法域に住んでいるので、以下は「著作権者の許諾取得検討の過程における利用(著作権法第三十条の三)」を根拠に実行する。従ってMODポリシーが出るか個別許諾を貰うまで生成結果の公開の予定はないことを先におことわりしておく。
 また、以下の手順は正常動作を保証するものでは全くない。ゲーム本体が破壊されようがファイルが失われようがOSが落ちようがPCが破壊されようがその先のシステムに影響が及ぼうが当方は一切保証せず責任を持たないので、了承される方以外は決して実行せずただの読み物として読んでほしい。

用意するもの

  • 必須

    • 「パス」「ディレクトリ」「拡張子の表示」「隠しファイルの表示」「カンマ区切りテキストファイル」「管理者権限の取得」「タスクマネージャー」「文字コード」などの知識(説明しないよっ!)

    • テキストエディタ(文字コードの指定が可能なものがよい。ぶっちゃけWindows付属のメモ帳でもなんとかなる)

  • あった方がよいもの

    • 表計算ソフト(本記事ではMicrosoft Excelを使う)

  • のちのちあるとよいもの

    • ファイル比較ソフト(筆者はWinmergeを使用)

はじめに確認

 各文化MODは\steamapps\common\架空地图模拟器 Demo\FantasyMapSimulator_Data\StreamingAssets\Base\Culture\に、各文化ごとのフォルダを作って格納されている。「東洋ファンタジー」は"EasternFantasy"の中にある。(なお、システム側ではこのフォルダ名をMOD名として管理しているため、フォルダ名は弄らないのが無難である)
 フォルダの中を見てみると、2つのファイルがあるだけのミニマルな作りだ。

図6:文化MODの中身
  • CityNames.csv…プロヴィンスの名前定義。千個ぐらいあるので今回はパス。

  • StateNames.csv…国の名前定義。今回はこちらをいじる。

改変開始

 さてcsvファイルなので、表計算ソフトを使って中身を見てみよう。

図7:文字化け

 ……なんだこれは。
 実は、Microsoft Excelは、文字コード「UTF-8(BOM無し)」のCSVをそのままダブルクリックで開くと文字化けするのである。そこで、いったんテキストエディタで開いて「UTF-8(BOMあり)」に変換してやる必要がある。
 もちろんCSVなので「すべてテキストエディタで編集すればいいだろう」というのは真理である。できる人はどうぞ
 さて、一応取り返しがつかないことになっても困るので、元のStateNames.csvのコピーを作って、編集はそれで行おう。
 ファイル名に悩むな!「のコピー」で十分!

図8:ズボラ

  右クリックなりなんなりからメモ帳で開き、中身には一切触らず「名前を付けて保存」を開く。「エンコード」という欄があるので「UTF-8(BOM付き)」を選んで、保存する。上書き確認に承諾して保存。メモ帳を終了。
 そしてダブルクリックでExcelで開くと、今度は化けていない。

ファイルの構造

図9:StateNames.csvの中身

 左端がkey。国名データをシステム内部で管理するための識別子である。ASCII文字に限定した方が取り回しが楽そうな気もするのだが、そこは作者さんのポリシーなので口を挟めた話ではない。(あと、英語表記を単純に持ってくると、一部漢字で訳語が被っているのでkeyとしてユニークでなくなるという問題もあるとは思う。)とにかく見てわかるように多言語文字に対応している。
 2列目はChinese。簡体・繁体・日本語設定の場合のデフォルト表示データでもある。
 3列目はEnglish。ヨーロッパ起源言語全体用のデフォルトデータでもある。
 で、右のカラムを見ていくと、Japaneseの列があるので、日本語版限定訳はここに入れてやればいいのだなと分かる。
 あとは、Chineseの列をコピーして、お手持ちの日中対訳環境なりWeb変換システムなりにぶち込んでやれば日式漢字文字列が得られる寸法だ。持ってればな。(なお無料のWeb変換もある。字数上限があるが)

やはり人力……人力はすべてを解決する

 無論筆者はそんなもの持っていないので、(無料のWeb変換や検索エンジンなどの助けも借りつつ)人力で解決する。
(生成AI?あんな自動翻訳の多重伝言ゲームシステム、生成結果のチェックと手作業修正の方がしんどいわ。非ラテン文字言語が複数絡む段階で、もはや最初から人力の方がマシだと思ってる(個人の偏見です)ので、検討にも入れてません。「大丈夫だよ」という方は𝕏(Twitter)までご教示下さい)

図9:「列を非表示にする」「ウィンドウ枠を固定する」

 一番下まで全部済んだら上書き保存。
 一応もう一回原本のStateNames.csvのバックアップを取る(のコピー(2)とかでいい。誰に見せるものでもないし)。
 メモ帳でさっきまでExcelの方で編集してた「StateNames  - コピー.csv」を開き、フォントはともかく文字そのものはおかしくなってないことを確認して、上書き保存する。文字コードは……ジッサイ、何回か変更漏れをやらかしても不具合は発生しなかったが……念のためさっきの逆の手順でUTF-8(BOM無し)に戻しておく。

図10:メモ帳で最終確認

 <重要>それが済んだら日式漢字データであるStateNames - コピー.csvを必ず絶対にバックアップして、</重要>、元のStateNames.csvと入れ替える。
 以上で日式漢字データは入力できた。さあExcelやメモ帳をすべて閉じて、ゲーム本体で確認しよう!

図11:失敗(要タスクキル)

 ……なんかおかしい。
 ちなみにこの状態だとどうにもならないので、とりあえずタスクマネージャーあたりから強制終了してください。

全部土色で起動しない

 はい、よくあること。
 実は、*Names.csvの仕様として、「最終行まで文字データが入っていること。最終行は改行してはならない」があるらしく。
 ところが、Excelでcsvを編集して保存すると、自動的に最終行にも改行を付与してくれる仕様があるのである。
 なので、これが出たら、まずは*Names.csvをテキストエディタで開きなおし、最後の改行を確実に削除して上書き保存。

図10(再掲):「大唐」の下に余計な一行がある。ここを確実に消す。

(8/23追記:上記のほか、最終カラムにカンマがついていて、そのあとのデータがnullだと最後のカンマを自動で削除してくれる仕様がExcelにあるらしく、カンマの数が合わないときがある。こちらも注意されたし)

 正常に起動したら、「ぼくのかんがえた山川資料集っぽい地図」として動作しているかどうか確認。

図12:再起動と読み込み成功

 先刻と同様、表示を調整して


図13:日式化

 今度はうまくいった模様。お疲れ様、俺氏。

メンテナンス

 Steam配信ゲームなので、公式がStateNames.csvをアップデートしたら、問答無用でModdingしたStateNames.csvは上書きされ消滅する。もちろん公式が日式漢字を採用してくれてなかったら、苦労して入力した日式は全部消える
 この場合、慌てず騒がずWinmergeなどでさっきの手順で残したバックアップと新配信公式データを比較し、差異をうまいこと調整するとよい。
 えっ、日式漢字を入れたデータのバックアップがない?私、上の方で「日式漢字データはバックアップしろ」って超強調しましたよね?しましたよね?……そんなん知らんがな。

おしらせと次回予告

 これである程度、ライト中国史ファンとかの心は掴んだな!(大げさ)
 だが、おそらくまだKRとかTNOとか言ってる限界パラドゲーマー達にはアピール不足に違いない!(勝手な決めつけ)
 次回、「「ファンタジーマップシミュレーター体験版」を遊び倒したい~③俺の答えはこれや!(応用編)」に続けよう……と思ってたんですが、事情が多少変わりました。
 詳しくはこちら。

8/22追記:駆け足で続きを書きました。粗いのはご容赦。

#ファンタジーマップシミュレーター
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#Steam
#SLG
#パラドゲーライク

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