『文房具語辞典』できました。

804語。2年半かけて執筆していた本が、ようやくできました。是非みんなに読んでもらいたい、良い本ができたとおもいます。1/14発売です。

『文房具語辞典』まえがき
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文房具の辞典を書かないかと言われ、直感的に、「これは絶対しんどいやつだ!」と思うと同時に「ああ、私が今やらねばならない仕事だ。」と思いました。子供の頃から文房具が好きで、同人誌を作り、ホームページを開設し、気が付けばテレビ番組に出場し、文具王となっていました。そしてメーカーに務め、実演販売や売場の企画をし、雑誌やテレビ、ラジオなどで文房具について語ってきました。文房具に関わる様々な立場をぐるぐる周りながら、いろんなことを学んできましたが、そういえば、それらを網羅してまとめたことがなかったなと。

鉛筆、消しゴム、ボールペン⋯誰でも知ってる文房具をあえて辞典として説明しなくても、鉛筆は鉛筆であって、普段はそれ以上説明しなくても充分伝わります。それをあえて、「黒鉛を主な原料とする棒状の筆記材を木製の軸に固定して・・」というふうに説明していく。あたりまえの物事を短い文章できちんと定義する作業は、案外難しい。

しかし、そうやってみんなが知ってる身近な文房具の定義を小難しく書いたところで、読んでみれば、そりゃそういうものだろう、ということになりがちです。ですから、できるだけ定義だけでなく、いつ、誰がといった、始まりや転機にまつわる重要なエピソードや、科学や工学からみた解説、業界内の豆知識などをぎゅうぎゅうに詰め込んでみました。

この本の一つ一つの言葉の説明は短い文章ですが、実は簡単な説明から私なりの研究成果までを多層的に盛り込んでいますので、普段特に文房具にこだわりのない普通の人から、既に詳しいマニアな人、仕事で文房具に関わる人まで、全ての人に話すつもりで書いています。

特に文房具にこだわりのない方は、普段使っている普通の文房具にまつわる言葉や文房具そのものに興味を持つ入り口として、小林さんのイラストを眺めながら、パラパラとめくって気になった単語やその意味を読んでみてください。文具店にいくのが楽しくなること請け合いです。

文房具を楽しんでいるファンの人は、それぞれの言葉の意味や歴史に触れることで、好きな文房具をより深く楽しんでください。それぞれの単語の解説は短いので、簡単に読めると思いますし、なるべく へえ〜、と思うようなエピソードを入れたつもりです。

既に文房具についてかなり詳しいマニアな人は、知ってることが多いとは思いますが、できれば一つ一つを丁寧に読んでみてください。きっと、あれ?そうだっけ?と思う部分が隠れていると思います。それぞれの項目を書くために調べた結果、ネットや雑誌によく書かれていることとは若干違った記述になっているところも多々あります。私としてはこれまでの定説にとらわれず、できるだけ正確な情報を探して書こうと、様々な資料にあたった結果です。この本は私の文房具研究の現時点でのまとめです。もしかしたら皆さんと見解が異なる所があるかもしれません、それを指摘するつもりで読んでいただければと思います(間違ってたら教えてください)。

そして、文具に関わる仕事をする人やこれから始める人は、ファイルとバインダーって何が違うの?みたいな、なんとなく曖昧なまま使っている文房具用語をきちんと使い分けるための文房具の用語集として、手元に置いて時々開いていただければと思います。

もちろん本書は辞典ですから、どこから、どんな読み方で読んでいただいても構いません。文房具に詳しい人もそうでない人も、広く深い文房具の世界を楽しむきっかけになればと思います。まずは難しいことは置いといて、適当に開いてみてください。
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000901.000012109.html

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