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文具に意味を与える(前編)

こんにちわ。文具ゲームメーカーのワラビサコです。
前回の記事では「失業する文具」というタイトルにしてざわつかせてしまったので、今回はこんなタイトルの記事にしてみました。

なんだか堅苦しいテーマで文具ゲームに無関係のように思うかもしれませんが、実はこれこそがゲームに込めた想いだったりするので、前編・後編に分けてお話させて頂きます。

「役に立つもの」と「意味のあるもの」

山口周さんの『ニュータイプの時代』という本の中で書かれている、とても興味深い話がありまして。

ざっくり言うと、コンビニエンスストアには、あの限られた空間や棚に色んなジャンルの商品が並んでますよね。
それらを「役に立つもの」「意味があるもの」とに分ける事ができるという話です。

どういう事かと言うと、例えば文具は大体1種類ずつしか置いてません。

消しゴムにしても「MONO」と「レーダー」と「Keep」と、、と何種類も置いていないですよね。
文具以外の商品でも、3種類とか、多くて10種類とかじゃないでしょうか。

そんな中、200種類以上も揃えられている商品があるんですが、おわかりでしょうか?

答えは本から抜粋を引きましょう。

“タバコです。ハサミやホチキスは1種類しか置かれていない一方で、タバコは200種類以上が置かれている。なぜそういうことが起きるのかというと、タバコは「役に立たないけど、意味がある」からです。ある銘柄が持つ固有のストーリーや意味は他の銘柄では代替できません。”
出展:山口周(2019) ニュータイプの時代ー新時
  代を生き抜く24の思考・行動様式 ダイヤ
  モンド社

自分は非喫煙者ですが、これには納得させられます。セブンスターが無いと言われて、じゃあマールボロで、とはならない人がほとんどではないでしょうか。

一方、文具は確かに一般的には「役には立つけど意味はない」ものかもしれません。
「一番よく切れるはさみ」と「五番目に切れるはさみ」があったら、悩む余地はありませんよね。

つまり、[一番切れる][一番小さい][一番安い]など、機能においてはトップだけが残り、下位はどんどん淘汰されていってしまうという話です。

文具好きにとってはどうか

ここまでの話を理解はして頂けたと思うんですが、あくまでも一般の人にとっての話です。
だけど文具好きのみなさんはきっと、完全に納得はしていないんじゃないかと。

つまり「いやいや役に立つし意味がある!」って思いませんか?
役に立つだけの存在だったらこんなに買い集めないし、胸をときめかせないハズです。

機能が魅力で買う人もいますし、見た目で選んでる人もいれば、そのメーカーのファンであったりもします。

「役には立つけど意味はない」=文具
と、揶揄され続けるのも悔しいので、私たちの手で、愛する文具に意味を与えて、そして意味を伝えていこうじゃありませんか!

「文具に意味を与える(後編)」に続く!

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