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シースピカで瀬戸内クルージング(前編)

瀬戸内海でクルージングを楽しもう

シースピカは広島(宇品)港と三原港を結んでいる日本ではめずらしい長距離を走る小型のクルーズ専用船です。
2年前にできたばかりの新しい船でぼくもこれまで乗ったことはありませんでした。
3月か11月までの9ヶ月間、土日祝日中心に運行しています。
朝に広島港を出て昼過ぎに三原港に着く東向きコースと折り返して広島港に戻る西向きコースがあります。
今回は2023年の運行が始まったばかりの3月20日に広島からの東向きコースに乗ってみました。

岸壁ではスタッフのお出迎えが

広島港で船に乗るまで

出港0830(船の世界では時間は24時間制で4桁で表記します)、受付開始が0800なので朝の宇品港へ向かいます。
広島駅からは路面電車で乗り換えなし40分ほどでいけますが、経由によってはもっと時間がかかる路線もあるのでご注意ください。
広島港で電車を降りるとすぐに目の前が客船ターミナルです。
宇品港も初めてだったのですが、松山や呉行きのフェリーが出ていたり周りの島への連絡船が出ていたりと、たくさんの船が出入りする勢いのある港でした。
客船ターミナルにはお土産屋さんや飲食店も何軒も入っています。

路面電車の停留所の目の前が客船ターミナル

シースピカの受付はこちらのターミナルではなく少し離れた宇品港湾ビル。
といっても駅からは5分もかかりません。
受付で予約した名前を告げると乗船券をもらえます。
乗船には事前予約が必須。webか電話が使えます。
webだと事前決済も可能。
チケットはよくある紙一枚ではなく、日付印も入ったかっこいいやつでした。
広げると乗下船地や寄港地の簡単な地図も載っています。
それぞれの港ではこのチケットを見せると優待が受けられる施設があります。
そのリストもチケットと一緒に配布されます。

ちょっとうれしくなる乗船券

シースピカはこんな船です

乗船時刻になると待合室にアナウンスがあり桟橋に向かいます。
定員は90人ほどですが今日は約半分の50人ほどの乗船なので船内は割と余裕を感じます。
座席のクッションなど細かいところも快適な旅のためのこだわりがあるそうです。
座席は指定でぼくはひとりですが3席並んだ席をひとりで使用することができました。
並びの席の他にボックス席もあって家族連れなど大人数での利用にもよさそうです。
コンセントのある座席もあります。
客室の前方には操舵室からの風景や航跡が見られる大きなモニター。
後方にはドリンクやグッズが買えるショップもあります。
ショップの裏側の階段を登ると2階は景色を楽しめる屋外デッキになっています。

船内

造船と自衛隊の街、呉

広島港を出てすぐ近くのグランドプリンスホテル広島の専用桟橋に立ち寄りお客さんを乗せます。
そして30分ほど走って呉港でもお客さんを乗せて本格的な航海が始まります。
まずはゆっくりと呉港を離れながら港の景色を見学します。
たくさんの船のなかでマゼンタの船体がひときわ目立つのは、日本郵船、商船三井、川崎汽船という海運大手が立ち上げたコンテナ船会社「ONE」の大型コンテナ船。
造船所で整備中でした。

ONEのコンテナ船


その外側には海上自衛隊の基地があり、護衛艦や潜水艦が停泊しています。
陸から見ようと思っても普通の人は基地に入ることはできませんが、海からならぐっと近づくことができます。
潜水艦の基地は呉と横須賀にしかないので、これほどの数の潜水艦を見られる機会はなかなかありません。

潜水艦もすぐ近くで見られます

平の清盛伝説 音戸の瀬戸

呉港を出ると瀬戸内海の交通の要衝のひとつ、音戸の瀬戸を通って東に向かいます。
本土と倉橋島の間の狭い海峡ですが、もともとは浅い砂地だったのを平清盛によって航路が開かれたという伝説があるのだと、ガイドさんが解説してくれました。
船の両側には瀬戸内の島々や本土の陸地がずっと見えています。
島が多すぎてどこを走っているのか分からなくなりますが、シースピカにはガイドさんが乗っているのでご安心。
航海中はずっと、航路から見える島や土地のひとつひとつの名前や由来を説明してくれます。
初めて聞く地元ならではの情報もたくさんあるので、聞いているとなかなか楽しいです。
音戸の瀬戸を抜けると島が連なった海域に入ります。
天気がいいせいかほとんど揺れることもなく快適な船旅。
いよいよ本格的なクルージングが始まります。

狭い音戸の瀬戸を船が行き交います

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