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フェイクライカを使うべきか、否や?

無法者国家というのは、いつの時代にも存在する。独自の価値観、独自の政治観を強烈にアピールする国家であり、その多くは独裁国である。以前、アメリカ合衆国が、イラン、リビア、北朝鮮などを無法者国家として認定し、さまざまな制限を行ってきた。小さい国家なら無視すればよい。しかし大きい国家、貿易取引額の大きい国家はそうもいかない。中華人民共和国がそれである。
人民共和国と堂々と名乗っているところからして、まず嘘臭い。そう名乗っているところは大体が独裁国、専制国家である。

かつてのソヴィエト連邦もそうであった。著作権条約にも加盟せず、ソフトウエアも尊重せず、個人の権利も、想像力も、自由への渇望も認めない国家だった。そんな国家が何の恥じらいもなく堂々と製作したのが、このフェイクライカなのである。
本物ライカは高いのである。うっとおしいほど高価である。だが、ライカの形をしていてまるごとソヴィエト製というのも、もっともっと寒い。
金綺羅のいでたちが、いかにも成金っぽい。そして蛇蝎のごとく嫌悪すべき共産主義者である。

そう考えていた私も、ほんの一瞬、フェイクライカを買いそうになった。カメラ・パロディとしてである。
以前、ライカが嫌いだ、という原稿を書いたから、その流れで、フェイクライカを使うことによって、ライカがもっとおちょくれるのではないか、と思ったのである。
だが、やめた。そんなつまらないことに、自分の人生や能力、時間を費やすのはもったいない。

ということで、フェイクライカがあることは認識しつつ、自分がどんなカメラで、どんな写真を撮るべきかを、またまた深く考えることにしたのである。
さらば、フェイクライカよ。


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