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ザッカーバーグ氏がアジアを巡る理由

メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が日本、韓国、インドを訪問しています。このアジアツアーの目的は何でしょうか?メタバースやAIなどの最先端技術に関心の高いアジアの企業や政府との連携を強化するためでしょうか?それとも、アジアの巨大市場におけるメタの存在感を高めるためでしょうか?この記事では、ザッカーバーグ氏のアジア訪問の背景と意義について考察します。

日本ではメタの開発者と協議

ザッカーバーグ氏は家族のスキー旅行に同行するために日本に滞在しており、26日と27日には東京でメタの開発者たちと会いました。メタの仮想現実(VR)ヘッドセット「Quest(クエスト)」や、米オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」に対抗する取り組みの一つである大規模言語モデル「LLaMA」について話し合ったということです。

日本はメタバースやAIなどの分野で世界的に有名な企業や研究機関が多く存在します。例えば、ソニーや任天堂はVRやゲームの分野で長年の実績と技術力を持ちます。また、東京大学や理化学研究所などはAIの基礎研究や応用研究で世界的な影響力を持ちます。ザッカーバーグ氏は、メタの技術開発において日本のパートナーとの協力を重視しているのでしょう。

韓国ではサムスンやLGとの協力を模索

ザッカーバーグ氏は28日にソウルに向かいました。3韓国では尹錫悦大統領と会談する可能性があるほか、サムスン電子の李在鎔会長とはAI分野での協力について、またLGエレクトロニクスのCEOとは拡張現実ヘッドセットの共同開発に関して協議する方向だと報じられています。

韓国はスマートフォンや半導体などの分野で世界的なリーダーです。サムスンやLGはメタの競合でもありますが、同時にメタのパートナーでもあります。例えば、サムスンはメタのVRヘッドセット「Oculus(オキュラス)」のディスプレイを供給しています。また、LGはメタのARヘッドセット「Ray-Ban Stories(レイバン・ストーリーズ)」のカメラを供給しています。ザッカーバーグ氏は、メタのハードウェア事業において韓国の企業との協力を深めることを目指しているのでしょう。

インドではアンバニ氏の結婚式に参加

ザッカーバーグ氏はソウル訪問後、資産家ムケシュ・アンバニ氏の末息子アナント・アンバニ氏の結婚前祝いに出席するため、インド西部グジャラート州ジャムナガルに向かいました。3月1日から3日間にわたって開催されるこの祝賀会には、ビジネス、テクノロジー、エンターテインメント各界の著名人が参加します。

インドは世界第二位の人口とインターネットユーザー数を誇る巨大市場です。メタはインドでフェイスブックやインスタグラムなどのサービスを展開していますが、インド政府との対立や競合他社の台頭などの課題も抱えています。例えば、インド政府はメタのデジタル通貨「ディエム」やインターネット衛星「スターリンク」などのプロジェクトに対して規制を強化しています。また、インドのスタートアップ企業「シェアチャット」や「ジオプラットフォームズ」などはメタのサービスに対抗するサービスを提供しています。ザッカーバーグ氏は、メタのインド市場における地位を確保するために、アンバニ氏などのインドの有力者との関係を築くことを狙っているのでしょう。

まとめ

ザッカーバーグ氏のアジア訪問は、メタの技術開発やハードウェア事業、インド市場などに関する重要な動きを示しています。メタはメタバースやAIなどの分野で世界的なリーダーシップを目指していますが、そのためにはアジアの企業や政府との連携が不可欠です。ザッカーバーグ氏は、アジアのパートナーとの絆を深めることで、メタのビジョンを実現するための基盤を築こうとしているのかもしれません。


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